節約食材の代表格とも言えるもやし。安さがクローズアップされがちですが、とても使い勝手がいい"買い"食材です。管理栄養士の尾花友理先生に、もやしの魅力と、長持ちさせる保存方法、簡単節約レシピを教えてもらいました。
「もやし」は豆などの種子を発芽させたものの総称
節約食材の代名詞的存在とも言えるもやし。もやしの語源は「萌やす(もやす)」からきており、穀類などの種子を、光を当てずに発芽させたものの総称です。一般的に販売されているもやしは、緑豆を発芽させた緑豆もやし、大豆を発芽させた大豆もやし、ブラックマッペを発芽させた黒豆もやしが主流となっています。
もやしがほかの野菜と大きく違うのは日に当てなくても育つ点。みずみずしいシャキシャキした食感は日に当てずに育つからできるものです。土や肥料がなくても水だけあれば育つことに加え、収穫までおよそ1週間と短いため、私たち消費者が安価で買うことができます。
もやしが"買い"な理由3つ!
さて、ここからはもやしが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
"買い"ポイント1: 実はビタミン・ミネラルも
もやしは白くてひょろっとしたその見た目から、栄養がなさそうというイメージを持つ人も多いかもしれません。ですが、先述のように穀類や豆など栄養価の高いものを発芽させたもの。代謝に関わるビタミンB群や、免疫力を高めるビタミンC、赤血球を作る素になる鉄分、高血圧を予防するカリウムなどを含みます。栄養素が豊富とまでは言えないものの、「栄養がない」というのは大きな誤解です。
"買い"ポイント2: 時短調理にぴったり
もやしをおすすめする理由として外せないのが、時短調理におすすめである点。通常野菜は皮をむいたり、切ったり、洗ったりと下ごしらえに時間がかかりますが、もやしは袋から出してそのまま調理可能。袋詰めの前に洗浄されているため、水洗いする必要もありません。野菜炒めやナムル、汁ものはもちろん、玉ねぎの代わりにハンバーグに入れたり、キャベツの代わりにお好み焼きに入れれば、包丁を使わずにメイン料理が完成します。
"買い"ポイント3: 長期保存が可能
「もやしを買ってきて袋のまま冷蔵庫に入れておいたら、2〜3日でしんなり水が出て酸っぱい臭いがして、使えずに捨ててしまった……」。そんな経験をしたことありませんか?
買ってきてすぐ使う予定がない場合には、蓋のついた保存容器に入れ、ひたひたになる程度の水を張って冷蔵庫で保存しましょう。水を1日おきに変えれば5日程度は日持ち可能です。
また、水気をしっかり切ってジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存も可能。ただし、冷凍保存したもやしは水が出やすくなるため、炒め物などには不向きです。凍ったまま汁ものや鍋に入れて、短時間調理で仕上げましょう。
もやしの良さをいかしたレシピを紹介
もやしハンバーグ
もやしをたっぷり1袋使用した、シャキシャキとした食感のハンバーグ。もやしでかさ増ししているので、挽肉が少な目でOKな節約メニューです。
材料(2人分)
合挽肉 300g / もやし 1袋 / しし唐辛子 4本 / 油 大さじ1/2 / ポン酢 適宜
A(たまご 1個 / パン粉 大さじ2 / 牛乳 大さじ2 / にんにくのすりおろし 小さじ1/3 / 塩・胡椒 少々)
作り方
1. ボウルに合挽肉を入れてよく練り、Aを入れてさらに練る。もやしを加え、まんべんなく混ぜたら4等分し、小判形に丸める。しし唐辛子はへたをハサミで切り落とし、楊枝で数カ所穴をあける。
2. フライパンに油をひいて中火で熱し、ハンバーグのタネを並べて蓋をして両面こんがりと焼き色がつくまで焼く。しし唐辛子もフライパンのあいている部分で焼き、皿に取り出す。好みでポン酢をかける。
安いこと以外にも、たくさんの魅力が詰まったもやし。単なる節約食材というだけではありません。冷蔵庫に常備しておくと、あと1品足りない時にもなにかと便利ですよ。