多くの人が悩む「家を買う・買わない」問題。手取り収入額16万円で家を建てたeriさんに、そのストーリーを聞きました。
Instagramで家計管理や日々の生活を公開しているeriです。我が家は3年前に注文住宅で、24坪の小さな平屋を建てました。家を購入する前に必ずといっていいほど課題に挙がるのが、お金。結婚し、子どもが生まれ、そろそろ家を買うのか、建てるのか、お金はどうするのか……。我が家もとても悩みました。
ぼんやりと家の購入について考え出した頃、我が家の手取り収入額は16万円でボーナスなし。事前の下調べもそこそこに、なんの知識もないまま行動をし始め、紆余曲折があったものの無事に家を購入・建てることができました。そんな我が家の、手取り16万円で家を建てたストーリーを紹介します。
お金がないのになぜ「家」にこだわったのか?
子どもが生まれるまでは、夫婦ともに住む場所や環境に全く興味がなく、お金に関してもとにかくルーズな生活をおくっていました。しかし自分が母となり、家族の将来やお金のことを漠然と考えたときに、地に足の着いた生活をしたいと考えるように。
そのなかで「家」という、家族の拠点となるような場所を持ちたいと強く思うようになりました。また、手取りが16万円だからこそ、毎月支払う家賃がもったいないと感じ、同じ金額を支払うなら、早いうちに「自分達の物になる家」を持ちたいと思ったのも、購入を決意した理由です。
身の丈に合った「家」とは?
当時はリノベーションブームで、おしゃれなお家をテレビで見ては憧れていました。リノベーション会社のチラシを見て見学会に行き、いろいろお話を聞いたり、完成披露会へ行ったりして、金額などが自分たちの身の丈に合うのか調べていました。
リノベーション物件について調べてわかったのは、築30年以上の中古マンションが約500万、リノベーション工事費が約2000万。それに維持費など諸々の費用がかかるということ。ちなみに、当時住んでいた賃貸の家賃は6万5,000円です。
毎月の支払い額はそれほど変わらなくても、「終の棲家」と考えたとき、築30年の中古物件に50年以上も住めるのか、耐震に不安はないかなど考えると、リノベーション物件は自分達の望むものではないという判断に至りました。
また、夫が転職を考えていたので、明確にライフスタイルのイメージが持ち切れず、新居の場所にも悩みました。いろいろ調べたのに白紙に戻った、家の購入。でも、「どのくらいのお金が必要なのか?」「どういったことが家の購入や家づくりに必要なのか?」を考える良いきっかけになりました。
実家の土地に家を建てられることに
そんなある日、ふと私の実家に使っていない土地があることを思い出して確認したところ、あっさりと「家を建ててもいいよ」という返事がもらえました。以前は畑として使っていた土地でしたが最近は使っておらず、雑草の管理が大変で持て余していた場所だったのです。
私と夫は同郷で、実家が所有していた土地のエリアに土地勘があり、生活にも不便は感じない場所。両家の親も近くに住んでいるので、子どもを預けたり、介護をしたりと将来を考えても安心です。何より土地の購入費用が不要となるのは金銭的にありがたいと思い、家を建てることを決意。土地の見通しがついてからは、びっくりするほどスムーズに家を建てることが決まりました。
ハウスメーカーは夫婦共に一目ぼれで、一条工務店さんに決定。全館床暖房、高気密高断熱、内装は自社製品でスタイリッシュ。家の価格は高くても、住み心地や光熱費、建物のランニングコストを考えて選択しました。
前述した通り当時の手取り収入額は16万円で、賃貸の家賃は6万5,000円。購入後の毎月の支払い額はそれよりも少ない額を希望しました。夫の転職や、私がパートを開始することで、手取り額が増える予定ではあったのですが、固定費が増えると生活にゆとりがなくなるだろうと、あえてローンは無理して組みませんでした。それでも、借入できる金額の範囲で24坪の平屋を建てることができました。
実際に建ててみて思ったこと
手取り額が16万円と少なく、貯金もあまりない我が家でしたが、なんとか家を持つことができました。24坪と聞くと狭いと思われそうですが、実際は家族4人でも十分な広さです。
念願の家を持ったことで、生活そのものも充実したように思います。もったいないなと感じていた家賃が、家を買って支払うローンなら気持ちよく支払えるようになりました(笑)。
もし夫の転職後にしっかりと貯金をしてから家を買っていたら、もっと欲が出て今よりも大きな家を建て、ローンもたくさん組んでいたかもしれません……。あえて、お金がないときに購入を決意し、建てたことは、良い決断だったと思っています。
家を購入・建築することには賛否両論あると思いますが、自分たち家族がストレスなく好きなように生活できる空間が持てて、我が家はとても幸せです。16万と所得が低かったからこそ、不必要なものを省き、満足のいく家が建てられたのだと思います。
家を買う、買わない問題は多くの人が悩むところ。もしこれから家を購入したり、建てたりする予定がある方がいたら、我が家のストーリーを少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。