今が旬のカブは、大根と似た栄養を含みつつ、大根にはないメリットもたくさん。ざまざまな料理にアレンジできる使い勝手の良さも"買い"の理由になりそうです。どのようなメリットがあるのかを管理栄養士の尾花友理先生が解説してくれました。ミキサーいらずの簡単ポタージュレシピも必見です!
カブの栄養基礎知識
春の七草のひとつ「すずな」とも呼ばれるカブ。カブの形が「鈴」に似ていることからそう呼ばれるようになったのだそう。冬から春にかけて、まさに今が旬の野菜です。
白い根の部分には、大根にも含まれるアミラーゼやジアスターゼが含有されていて、消化を助けてくれます。免疫力を高め、美肌作りに貢献すると言われているビタミンCも多く含まれます。アミラーゼやジアスターゼなどの酵素もビタミンCも、加熱すると壊れやすいため、効果を期待するのであればサラダや漬物など生で味わうのがおすすめ。柔らかい肉質のカブなら生でもおいしく味わうことができます。
おいしいカブを選ぶには、根にヒビが入っていないもの、葉がシャキッとしているものを見つけるのがポイントです。
カブが"買い"な理由
"買い"ポイント1: 時短料理にぴったり
同じように根を食べる大根に比べると、カブの魅力は柔らかい肉質。例えば薄切りにして生のままサラダにしてもおいしく食べられます。また、その柔らかさゆえ、煮物にした場合も調理時間が短く済みます。同じサイズに切った場合、カブは大根のおよそ1/2の時間で十分火が通ります。煮物を時短化するためには、食材選びも大切となるわけです。
"買い"ポイント2: 子どもウケ抜群!
先述のように柔らかい肉質な上、冬の寒い時期のカブは甘みが増しおいしくなります。加熱すると甘みも柔らかさも増すため、蒸したりソテーしたり、煮たりすれば野菜が苦手な子どもでもきっと食べてくれるはず。子どもだけでなく、固いものが食べにくい高齢者にもおすすめです。
"買い"ポイント3: 葉っぱの栄養がすごい!
スーパーで葉付きの大根を見かけることは珍しいかもしれませんが、カブは必ずと言っていいほど立派な葉っぱが付いた状態で販売されていますよね。使い方がわからず捨ててはいませんか。実はカブの葉は、白い根の部分より栄養価が高いのです。
カブの葉は、免疫力を高めるβカロチンが非常に豊富な緑黄色野菜。その他にも、不足が懸念されているカルシウムや鉄分も多く含みます。βカロチンは油に溶けて吸収されるビタミン(脂溶性ビタミン)なので、油を使って加熱すると栄養を効率よく摂ることができます。刻んだカブの葉をごま油で炒めて醤油をかけてふりかけのようにしたり、ベーコンやツナと一緒に炒めたり、さっと塩茹でしてごま和えにするなどもおすすめですよ。
専門家直伝のコツをフル活用のレシピを紹介
カブのザクザクポタージュ
柔らかいカブをざっくりと潰して作る、ミキサーいらずのポタージュです。やさしい味わいで体も心も温まります。
材料(2人分)
カブ 小4個(200g程度) / カブの葉 1個分 / 水200ml / 顆粒コンソメ 小さじ1/2 / 塩・胡椒 少々
A(牛乳 100ml / 生クリーム 100ml)
作り方
1. カブは葉を切り落として四つ割りにする。
2. カブの葉は細かく刻み、さっと塩茹でしておく。
3. 鍋に1と水、顆粒コンソメを入れ、蓋をして弱火で20分煮る。
4. カブが柔らかくなったら、お玉や麺棒などを使って粗めに潰す。
5. Aを加えて弱火で煮立て、塩・胡椒で味を調える。
6. スープ皿によそい、2を飾って完成。
柔らかく甘いカブ。おいしいだけでなく、調理の時短が叶うのも嬉しいポイントですね。栄養たっぷりな葉っぱもぜひ食べてください。