電車を使って旅行や帰省などの長距離移動をする際、定価できっぷを買ってはいませんか。飛行機のチケットは事前予約割引があります。映画もレディースデーや映画の日など割引制度があります。同様に、鉄道も割引きっぷ、割引制度があります。ぜひおトクに使いこなしましょう。
おトクなきっぷの購入方法
定価で東京から伊豆に旅行をする場合
例えば東京から伊豆方面へ行くケース。比較的暖かい伊豆方面では、2月中旬には河津桜の見頃を迎えます。特急指定席券は乗車日の1カ月前から発売されますから、そろそろきっぷ手配の時期です。東京から伊豆急下田まで、普通乗車券は大人片道3,890円(子ども1,940円)です。往復すると大人7,780円(子ども3,880円)です。
大人1人1,500円以上おトクになるきっぷが!
定価できっぷを買うその前に! おトクなきっぷを探しましょう。JR東日本は「南伊豆フリー乗車券」を販売しています。JR伊東線、伊豆急行線、下田や河津などを発着する東海バスの南伊豆エリアの路線が乗り放題で、東京都区内から乗り放題エリアまでの往復きっぷも付いています。別途特急券を購入すれば「特急踊り子号」も利用可能。グリーン券を購入すれば普通列車グリーン車も使えます。
2日間有効で、料金はなんと、大人6,160円(子ども3,080円)です。定価で往復きっぷを買うよりも、大人1,620円(子ども800円)おトクです。しかも伊東~伊豆急下田間の電車と周辺のバスが乗り放題です。ちなみに、このきっぷは2019年9月30日まで販売で、乗車当日は購入できません。前日までにみどりの窓口や旅行代理店で購入してください。特急券の手配と同時に買いましょう。
他のおトクきっぷ購入術も
このような「往復きっぷ+フリーきっぷ」のようなおトクなきっぷは、数年前までたくさんありました。しかし、徐々に種類が減っています。そのかわり、現地でフリーきっぷだけ購入し、往復は別の割引きっぷを組み合わせるというワザを使いましょう。
今回紹介する現地でのフリーきっぷは、長野方面の「北信州ツーデーパス」。JR長野駅を中心に、飯山線の十日町まで、日本の鉄道三大車窓の姨捨駅まで、長野電鉄の長野~小布施~湯田中、しなの鉄道、アルピコ交通バスの指定区間が2日間乗り放題で大人3,510円(子ども1,750円)です。スキー旅行に活用するもよし、小布施観光を楽しんだり、湯田中で温泉に癒されたりするのもよし。この時期、活用の幅が広いきっぷです。
そして、東京から長野駅までの移動手段は北陸新幹線。北陸新幹線の場合、割引なしの運賃と特急料金の合計は、片道大人8,200円(通常期子ども4,100円)です。この区間の割引きっぷとして「新幹線回数券」があります。東京都区内~長野間は6枚綴りで大人4万5,960円。1枚あたり7,615円です。大人3人で往復、1人で3往復という使い方です。有効期間は3カ月で子ども用はありません。回数券を使う時に窓口で座席指定をするので、同時に子ども用のきっぷを買うと並んだ席を獲得できます。
回数券の他には、ネットで購入する割引きっぷ「お先にトクだ値」「えきねっとトクだ値」があります。「お先にトクだ値」は13日前までに購入する早割きっぷです。東京都区内~長野間だと、30~35%の割引となります。
「えきねっとトクだ値」は、当日購入も可能なネット販売割引きっぷです。こちらは10~15%割引。
どちらも列車ごとに発行枚数と料金が異なり、東京都区内~長野間の「お先にトクだ値」は30%割引で大人5,590円(子ども2,790円)、「えきねっとトクだ値」は10%割引で大人7,190円(子ども3,590円)です。浮いたお金でちょっといい駅弁を買えるくらいのおトク度ですね。
このような割引きっぷの情報は、月刊の時刻表や鉄道各社のWebサイトで探せます。また、駅や旅行会社で発行できるきっぷについては、目的地と合わせて「割引きっぷがあれば教えてください」と伝えれば探してくれます。なにも言わなくても「このきっぷの方が安いですよ」と提案してくれる係員さんもいますが、念のため希望を伝えましょう。なお、ネット販売専用の割引きっぷは窓口では販売できません。きっぷの受け取りだけです。
鉄道で長距離移動をする場合は、「定価のきっぷ購入は最後の手段」のつもりで割引きっぷを探しましょう。