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七夕飾りに笹を使うのはなぜ? 短冊に願い事を書く理由も解説



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七夕が間近に迫り、街中でも笹が飾られるようになりました。これからの時期、笹を用意して、子どもと一緒に短冊を吊るしたり飾りつけをしたりして楽しむ家庭も多いでしょう。ところで、笹に短冊を吊るすこの七夕の風習について、どのような由来があるのかご存知でしょうか。今回は七夕のしきたりの意味について紹介します。


七夕は実はお盆行事


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現在の日本では、七夕は笹に短冊を吊るして願い事をする日だったり、彦星と織姫が1年に1度会うことができる日として親しまれていますよね。これは梶(かじ)の葉に歌を書いて技芸の上達を願う中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という行事や七夕伝説、日本古来の風習などが合わさって今の形になったと言われています。

七夕と言えば7月7日の行事ですが、この日にちは旧暦の暦をそのまま新暦にも持ってきたもの。実は7月7日に行われていた七夕は、正しくは新暦(現在の暦)の8月中旬前後にあたることが多く、つまり盆期間の行事として催されていました。盆の風習や乞巧奠などの行事が組み合わさり、現在の七夕への形を変えていき、今に至るというわけです。

七夕に笹を飾る理由


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盆の時期は「あの世」と「この世」の境目があいまいになり、ご先祖様が「この世」に帰ってくるとき。また、この頃は夏の疲れが出やすく、抵抗力の弱い子どもやお年寄りが命を落としやすい時期でもありました。

暑い時期は食べ物が腐りやすく、体も弱りがち。笹の葉には抗菌効果があるため、ご先祖様へのお供物などの下に敷き、防腐用として使用されていたといいます。また昔は七夕の日に、殺菌作用のある笹の葉にお供え物をのせ、願い事やケガレと一緒に川に流す習慣もありました。これらの風習から、笹と七夕は切っても切れない関係になったとされています。

その他にも、力強く成長する姿から筍(=竹 / 笹)は生命の象徴とされ、七夕の行事で使用されるという話もあります。

なぜ願い事を短冊に書いて吊るの?


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七夕がまだ日本で貴族文化だったころ、貴族たちは技芸の上達を祈り、紙に願い事を書いてお供物と一緒に七夕の日の朝に川へ流していました。これは、貴族たちが冒頭に説明した中国の乞巧奠を取り入れた風習と言われています。

当時、紙は高級品で紙そのものを神に祀ることもありました。この高価な品に願い事を書くため、そこにはとても大切なことを書いていたようです。この「紙に大切な願い事を書く文化」がいまの短冊となりました。また、天に向かって伸びる笹竹に吊るすという行為は、願い事を天に届けるためとされています。ちなみに、庶民に七夕文化が広まったのは江戸時代以降と言われており、この時期に願い事を書いた短冊を笹に吊るして楽しむようになったとされます。

中国と日本のいろいろな文化や風習が合わさった七夕文化。今年の願い事は、改めて笹や短冊の意味を意識しながら書いてみても良いかもしれませんね。素敵な七夕になりますように。

監修: 井戸理恵子

今回お話を聞いた先生


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井戸理恵子(いどりえこ)

ゆきすきのくに代表、民俗情報工学研究家。1964年北海道北見市生まれ。國學院大學卒業後、株式会社リクルートフロムエーを経て現職。現在、多摩美術大学の非常勤講師として教鞭を執る傍ら、日本全国をまわって、先人の受け継いできた各地に残る伝統儀礼、風習、歌謡、信仰、地域特有の祭り、習慣、伝統技術などについて民俗学的な視点から、その意味と本質を読み解き、現代に活かすことを目的とする活動を精力的に続けている。「OrganicCafeゆきすきのくに」 も運営。坐禅や行事の歴史を知る会など、日本の文化にまつわるイベントも不定期開催。


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