サントリーのウィスキーといえば、「白州」を思い浮かべる人が多いかと思います。
そんな中で最近評判となっているのが、「知多」。
“風のように軽やかなウイスキー”と言われている通り、柔らかで優しい味わいが特徴のウィスキー。
実はこの「知多」はジャパニーズウィスキーのパイオニア・サントリーだからこそ開発できた、ものすごいお酒なんです!
今回はそんな知多ウィスキーの魅力と、おいしく味わう楽しみ方を伝授します!
知多ウィスキーとは?
知多ウィスキーの生産が始まったのは2015年。
元々はオンラインショップなどで限定生産されていたのですが、好評だったこともあり全国販売されました。
◆特徴的なシングルグレーンウィスキー
知多の特徴はシングルグレーンウィスキーであること。
ウィスキーは大きく分けて「モルトウィスキー」と「グレーンウィスキー」、「ブレンデッドウィスキー」の3つに分けることができます。
モルトウィスキーは大麦の麦芽を発酵させ、単式蒸溜器で蒸留してから樽で熟成させ造られたものです。
一方で、グレーンウィスキーとは、トウモロコシなどの穀物を主原料として造られたウィスキー。
連続式蒸溜機で蒸留し、樽で熟成させます。
同じ“ウィスキー”ですが、原料も、製造方法も違うものなのです。
さらにこのグレーンウィスキーの多くは、モルトウィスキーと混ぜるために製造されています。
この2つを混ぜたウィスキーが「ブレンデッドウィスキー」と呼ばれているもの。
なんとなくイメージできるかもしれませんが、クセの強いもの同士を混ぜても、上手くブレンドできるような気がしませんよね。
そのためグレーンウィスキーは個性を抑えて蒸溜されていることが多く、一般的には"脇役"のような存在です。
しかし知多ウィスキーはそんな脇役のグレーンウィスキーのみを使ってボトリングされたウィスキー。
さらに"シングル"というのは、単一の蒸溜所で生産された樽のみを混ぜて製造されたウィスキーのことを示しており、これはウィスキー界では非常に珍しいことなのだそう。
◆多彩なグレーン原酒を合わせた優しい味わい
知多の味わいはとてもなめらか。
その味わいは、“風のように軽やか”と表現されるほど。
しかし、軽やかな口当たりでありながらも複雑な香りと味わいを楽しむことができます。
一般的に個性が抑えられたグレーンウィスキー。
そのシンプルな味わいにどうすれば深みや複雑さが生み出せるのか、飲み飽きない味にできるのか、試行錯誤が繰り返されました。
今では大人気の知多ですが、その誕生にはジャパンウィスキーのパイオニア「サントリー」だからこそできた技術力があったからこそ実現できたもの。
いったい知多を醸造する蒸留所ではどんな工夫がされているのでしょうか。
知多ウイスキーを生んだ知多蒸溜所
知多ウィスキーは愛知県知多半島にある知多蒸溜所で製造されています。
ここはサントリーが3つ保有する蒸溜所の1つであり、40年以上の歴史がある蒸溜所でもあるんです。
◆知多蒸溜所の歴史
知多蒸溜所は1972年、伊勢湾を眺める知多半島に作られました。
サントリーの蒸溜所としては山崎蒸溜所に続く2番目の設立となります。
特徴的なのが、製造されるウィスキーがグレーンウィスキーであること。ここで生産されたウィスキーは「響」や「角」や「サントリーオールド」などにブレンドされています。先述した通り、グレーンウィスキーは本来、ブレンデッドウィスキーとしてグレーンウィスキーの良さを引き出す名脇役。和食でいう出汁のような存在。
そのため「知多」が出るまでこの蒸溜所の代表とも言うべきウィスキーはありませんでした。
とはいえブレンテッドウィスキーにおいてグレーンウィスキーの品質は重要であり、サントリーにおいて知多蒸溜所は他の蒸溜所に勝るとも劣らない貢献をしています。
◆知多蒸留所の挑戦
そんな知多蒸留所から生まれたのが「知多」。
シングルモルトはよく見かけますが、まさかのシングルグレーンウィスキー、ウィスキー界には衝撃が走ったことでしょう。
では、なぜ個性が抑えられたグレーンウィスキーだけでヒット商品を生み出すことができたのでしょうか。
その秘密は、グレーンウィスキーの様々な種類わけです。
例えば蒸留された直後の原酒はヘビータイプ、ミディアムタイプ、クリーンタイプで分けられています。
そこからさらに原酒を熟成させる「樽」によって味が広がっていきます。
イメージしやすいものでいうと、バニラの甘い香味を出すホワイトオーク樽や、滑らかな口当たりになるワイン樽などですね。
実は知多蒸留所では、ウイスキーブームが低迷していた時代から樽の使い分けの研究をしていたんだそう。
樽の素材や大きさなど、様々な可能性から努力を重ね、グレーンウィスキー原酒の作り分けに成功していたのです。
ここまで細かに原酒の作りわけをしている蒸留所の挑戦は世界でも類を見ないほどなんだとか。
◆緻密な組み合わせで生まれる繊細な味わい
しかし、原酒の作りわけができるだけでは、おいしいシングルグレーンウィスキーを生み出すことはできません。
ここで必要になってくるのが、原酒を組み合わせるブレンド技術です。
意外かもしれませんが、知多はなんと約10種類ものグレーン原酒をブレンドして造っています。こうすることでシングルグレーンウィスキーらしからぬ、複雑で豊かな味わいを生み出すことができるんですね。
これもサントリー創業者・鳥井信治郎の「日本人の味覚に合った洋酒文化を切り開きたい」という魂が今も受け継がれている証拠かもしれません。
さらにウイスキーは毎年同じように造ったとしても、ちょっとした条件の変化で少しずつ味が変わります。
その中で、いかにいつも均一な味にブレンドできるか、ここが大きなポイントであり、難しさでもあります。
おいしいウィスキーになるようブレンドし、それを造り続けることができるのも知多蒸留所の技術力があってこそなのです。
知多ウイスキーの楽しみ方
知多の魅力はハイボールにしてこそ、と言われています。
ハイボールにすることで、知多の優しい華やかな香りが開き、甘みが引き立つのです。
「風香るハイボール」と名付けられた、優しい印象が魅力。
食事の味を邪魔することがないので、どんな料理との相性も◎。
ハイボールにして揚げ物といっしょにいただくのはもちろん、和食のような素材本来の味を楽しむ料理にも合うでしょう。
◆おいしいハイボールの作り方
おいしいハイボールは4ステップで作れます。
①グラスにたっぷりの氷を入れ、マドラーでくるくる混ぜる
グラスをよく冷やします。
②溶けた氷の水を1度捨てる
ハイボールが薄くなってしまわないように水を1度捨てます。
③知多を注いでマドラーでくるくる混ぜる
ウイスキーをよく冷やします。
④炭酸水を注ぎ軽くステア
炭酸水を氷に当てないようにゆっくり注ぎ、炭酸が抜けないように優しく2~3回マドラーでステアします。
これだけでワンランクおいしいハイボールの完成!
簡単にできるので、ぜひ試してみてくださいね。
◆ハイボールのアレンジ方法
公式インスタグラムでは大葉や山椒、すだちを添えてアレンジしています。
サッパリとした味わいがクセになりそうです。
筆者は、ハイボールの中に潰したイチゴを加えるのがお気に入り。
見た目もきれいなので、宅飲みでも活躍しますよ!
その他にも様々なアレンジ方法がサントリー公式ホームページで紹介されているので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
知多ウイスキーのアマゾンページ紹介
◆知多ウィスキー
◆知多タンブラー
また知多にはタンブラーもあります。中頃で少し膨らんでおり持ちやすそうなのが特徴。
ハイボールを作りやすいように目印となる線も引かれているので、ファンの方はぜひ購入してみてくださいね!
まとめ
他のモルトウィスキーとは、一味違った魅力のあるウイスキー「知多」。
食中酒として飲む時は特に日本料理との相性が最適。さっぱりした甘さが日本酒の味わいを引き立ててくれます。
最近では「知多」をラインナップに入れている酒屋も増えて来ています。居酒屋に置いている場合もありますので、機会があればぜひお試しください!
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