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電池とスチールウールで火を起こす方法



大きな災害が起きると、ライフラインが止まってしまう可能性は高いでしょう。そんなときでも、火は大事。暖を取ったり、煮炊きをしたりするには火が必要です。


でも、ガスが止まっていたら? マッチやライター以外の手段も知っておきたいところ。たとえば、電池とスチールウールを組み合わせて火を起こす方法があるんです。「アリエナイ理科」シリーズでおなじみのPOKA氏に教えてもらいました。


※本記事は緊急時を想定した検証のため、紹介している商品はいずれもメーカーが推奨していない方法で使用しています。いざというときの知識として覚えておくにとどめ、日常においては決して真似をしないでください。なお、緊急時においても、メーカーの想定しない使用方法は自己責任となります。ご注意ください。



9V乾電池とスチールウールで火を起こせる!



今回は、9V角形電池(006P)とスチールウールを使用して火起こしを行います。


電池を使った火起こしといえば、ガムの銀紙を1mmくらいの細さにカットして通電させるという方法もあります。ただ、紙だけに、1回だけピカッと赤熱してすぐに燃え尽きてしまうので、火種として使うには意外と難しいんですね。いっぽう、スチールウールなら再挑戦が容易。失敗しても、何度もやり直すことができます。


9V角形電池は、電極が2つとも同じ側にあるので、押し付けるだけで通電させることができ、サバイバル時の火起こしには非常に便利です。


今回の火起こしで使用するもの




  • 9V角型電池(006P)

  • スチールウール(繊維の細かいもの)

  • マニキュア(あれば)

  • ティッシュペーパー

  • 火種を移すための麻ひもなど


9V乾電池とスチールウールは必須。火を移すためのティッシュペーパーや麻ひもも必要。では、なぜここにマニキュアがラインナップされているのでしょうか? それはマニキュアに配合されている成分の「ニトロセルロース」が目的です。



上の画像は、マニキュアのラベルを拡大したもの。皮膜形成剤として使用されているニトロセルロースは、実は燃えやすい性質を持っており、火薬の材料にも使われていたりします。


非常時において、火起こしの成功確率を上げるためには、こういったものも活用できるんですね。ニトロセルロースは、ほかにも、ラッカー系のニスに配合されていたりしますので、ラベルをチェックしてみるといいでしょう。



準備として、ニトロセルロースの配合されたマニキュアをティッシュペーパーに塗って、よく乾かしておきます。マニキュアがない場合は、ティッシュペーパーをそのまま使います。


いよいよ実験開始!


さて、いよいよ実際に火を起こしてみましょう。今回は、安全のために深手の鍋を使い、周囲に可燃物のない場所で、消火用の水を用意した上で実験を行いました。手順は以下のとおりです。



  1. ティッシュペーパーを敷く

  2. その上に、薄くちぎったスチールウールを置く

  3. 9V乾電池の電極を、スチールウールに押し付ける



スチールウールは、通電するとすぐに白熱し、発火しはじめます。



ティッシュペーパーに火が移り、しっかりと燃え始めました。これが燃え尽きる前に別のものに移し、火種としましょう。今回は、麻ひもの先端をほぐしたものを使いました。



無事、麻ひもに火が移りました! 成功です! あとは小枝や薪、豆炭などに火を移していけばOKです。


YouTubeに動画をアップしましたので、あわせてご参照ください。



以上、電池とスチールウールによる火起こしの方法でした。有事の際には、ぜひ試してみてください。9V角型電池は、最近では出番が少なくなっているかもしれませんが、1つ常備しておくと、いざというときに助かるかもしれませんよ。


※本企画では、防災を目的とした検証のため、各商品をメーカーが推奨していない方法で使用しています。また、実験にあたっては消火用の水を用意し、安全に十分配慮して行っております。いざというときの知識として覚えておくにとどめ、日常においては決して真似をしないでください。サバイバル時においても、メーカーの想定しない使用方法は自己責任となります。


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