キンキンに冷えたビールなら冷たいまま、アツアツのコーヒーならほどよいホット加減のまま、適温をなるべく長時間維持してくれる「タンブラー」。グラスやマグカップよりも保温性能が高いので、ひとつくらいは持っておきたいという人はいるでしょう。
そこで「Amazon.co.jpの売れセン」「容量450ml前後」「真空構造」を基準に5種類のタンブラーをピックアップし、ガチ検証を実施。2製品をオススメに選出しました。同じようなサイズのタンブラーをお探しでしたら、ぜひご参考にどうぞ!
さっさと結論からいこう。(検証した製品と検証方法はこちら)
【保冷・保温・飲み口オールベスト!】象印『まほうびんステンレスタンブラー』
検証結果と基本スペック
- 保冷 1時間後温度 5.5 → 9.9℃(+4.4)
- 保温 1時間後温度 81.9 → 53.1℃(−28.8)
- 開口径 76φ
- 容量 450ml
- Amazon参考価格 2,279円
総合力で象印『まほうびんステンレスタンブラー』をベストタンブラーに選んだ。魔法瓶と言えば象印、日本人なら知らぬ者はいないほどの知名度と信頼性。総じて保冷性能が高い点、胴が細すぎず底まで指が届いて洗いやすい点などを踏まえてのベストだ。
飲み口のフチ部分まで二重構造となっており、熱い飲み物でも安心して口につけられる。カラーも選べておしゃれ感も併せ持つが、唯一の2,000円超えという価格が難点だろうか。
象印 まほうびんステンレスタンブラー 450ml ゴールド SX-DC45-NA
【熱いモノを飲まないならコレ】ドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』
検証結果と基本スペック
- 保冷 1時間後温度 5.6 → 9.9℃(+4.3)
- 保温 1時間後温度 82.6 → 56.9℃(−25.7)
- 開口径 61.5φ
- 容量 420ml
- Amazon参考価格 1,521円
象印製とほぼ変わらない保冷性能を持ちながら、価格が1,000円近く安く、口径が細いので手で持つのも楽ちんなドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』。日ごろ熱いものはあまり飲まない、フチの二重構造とか要りません、という人はコレでまず問題ないだろう。
開口部の径がかなり小さく、胴回りのくびれがあり、持ちやすいタンブラー。 ただし、細型の入れ物は持ちやすい半面、背が高く倒れやすい、洗う時にグラスブラシが必要などのデメリットがある。
ドウシシャ 飲みごろビールタンブラー 420ml マット DSB-420MT
検証したタンブラーについて
今回検証したタンブラーは「Amazon.co.jpの売れセン」「容量450ml前後」「真空構造」を基準に5製品をピックアップ。保冷・保温テストはさらに一般的なビールグラスとマグカップも加えて実施した。価格は購入時のもの。
- ① パール金属『真空断熱ジョッキ』450ml / 1,245円
- ② ドウシシャ『飲みごろビールタンブラー』420ml / 1,521円
- ③ 和平フレイズ『真空断熱タンブラー』480ml / 1,174円
- ④ 象印『まほうびんステンレスタンブラー』450ml / 2,279円
- ⑤ サーモス『真空断熱タンブラー』420ml / 1,443円
測定方法について
データーロガーにサーミスタ(B=3680,10KΩ)と分圧抵抗を取り付け、割り箸の中央から吊し、上面から5cmの深さの水温を1秒間隔で測定した。校正は別の実験用温度計にセンサーを束ねて適当な温度の水に浸し、同じ数値になるように各chの係数を調整し行ったが、実験用温度計そのものの誤差のほか、計測するすべての温度領域で各chの確度が同一であり得ないことを付け加えておく。なお、オプションとして専用の蓋を持つモデルもあるが、今回はすべて蓋ナシで検証している。
使用した記録ソフト:National Instruments SignalExpress 2013
使用したロガー:National Instruments DAQ USB-6008
使用したサーミスタ:村田製作所 NXFT15XH103FA + プルアップ抵抗 10kΩ(1%)
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。
全タンブラー保冷テスト結果
入れ物の持つ温度により、特に裸グラスの群では、水を入れた瞬間から温度が違う。1時間までの値は誤差の範囲から逸脱できる値ではないが、以後の温度変化は、ドウシシャ&象印のグループと、パール金属・和平フレイズ・サーモスのグループに別れた。温度の逃げ口である開口部の径の小さいドウシシャ製が良値となった。
全タンブラー保温テスト結果
ビールグラスは薄いので保温試験は参加棄権。裸グラスのマグカップはお湯を入れた瞬間に7℃以上降下している。保冷の時は冷たい水は底に溜まるため、開口部に近い水が温められても対流しないので保冷は比較的良好だが、保温の場合は温度の高い水が開口部に近い水面に上昇してくるのに加え、水面から逃げる揮発熱により温度が下がり、より悪条件となる。開口部の小さいドウシシャ製の良値が顕著になる。タンブラーでの保温にはフタが必須と言える。
※本記事はこちらの記事(保冷・保温に優れた「タンブラー」はコレがおすすめ! 人気モデルの温度変化をガチ検証してみた!!)の編集版です。各製品の詳細、検証結果の総括等については元記事をご参照ください。