もじ鉄、知ってますか? 撮り鉄、乗り鉄、呑み鉄(マイナー?)の鉄です。鉄道にまつわる「文字」に魅せられたひと。ざっくりいうとそんな感じですかね。
もじ鉄のための情報サイト「もじ急行」を運営する石川祐基さんによると、主なターゲットはプラットフォームの駅名標。日ごろ意識せずに見ている人がほとんどだと思いますが、駅名に使われるフォント(書体、写植もある)やデザインって、鉄道会社それぞれの味があるんです。しかも、その味は時代とともに少しずつ変わってきています。とくに最近は、2020年の東京オリンピックに向けて変化が激しいのだとか。新旧が入れ替わる変革期にあるんですね。
そんなディープなもじ鉄ワールドの楽しみ方を石川さんにレクチャーしてもらいました。
第6回は「JR東海の文字」。JR東海ユーザーのみなさま、ぜひここでご紹介するポイントを押さえて、駅の文字をチェックしてみてください!(バックナンバーはこちら)
POINT 01|職人さんによって、受け継がれてきた文字。
国鉄時代から続く伝統的な書体 “スミ丸ゴシック体” が唯一無二の存在感を醸し出す駅名標。角が丸く、どこかレトロで可愛らしい文字は、職人さんの手によって受け継がれてきた長い歴史がある。かつては全国でその書体を見ることができたが、現在は主にJR東海の駅名標と、古くから残っているホーローの駅名標でしか見ることができない。
POINT 02|ハテナに、見える?
三重県にある日本一短い駅名、津駅の駅名標は、遠くから見ると一瞬ハテナマークにも見える不思議。駅に到着し、駅名を確認したら “?” だなんて、ドキッ!
POINT 03|あの文字も、国鉄からの伝統。
東海道新幹線の駅名標は在来線と異なり漢字表記がメインで、オレンジのラインが矢印を模している。書体は在来線と同様に伝統的な “スミ丸ゴシック体” であるが、漢字に関しては “JNR-L” という書体が元となっている。“JNR” とは “Japan National Railway” 、つまり国鉄という意味だ。
POINT 04|この中に、“別の書体” があります!
品川駅港南口の東海道新幹線のりばは、書体見極め能力を試す絶好の場所。“品川駅 新幹線のりば(南口)JR全線きっぷうりば” と文字が並ぶが……(違いはおわかりだろうか?)
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実は “JR全線” までは “ゴナ” で、“きっぷうりば” だけ “ 新ゴ” だ。太さの違いもあるが、“り” の上部を見比べると分かりやすい。
※掲載中の駅名標等は現存しない場合がございます。また、書体は石川祐基氏が調査したものであり、実際と異なる場合がございます。
もじ鉄案内人|石川祐基 グラフィックデザイナー
1987年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部中退。アニメーション・デザイン制作会社を経て、2016年より「もじ鉄のための鉄道と文字のウェブマガジン もじ急行」を制作・運営。2017年にデザイン事務所「デザイン急行株式会社」を設立。おもな仕事に、NHK「キッチン戦隊 クックルン」、新江ノ島水族館「えのしまんず」、アイドルユニット「神宿」ロゴデザインなど。Web・SNSはこちら → もじ急行|Twitter|Instagram
「もじ急行」が本になります!
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