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2月4日頃からの半月間は、「立春」と呼ばれる季節。由来や気候の特徴、この時期の楽しみ方を、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。
立春とは?
立春とは「春が立つ=春の兆しが見え始める時期」という意味です。二十四節気の1番目で、春を6つに分けたうちの最初の節気。毎年2月4日〜2月18日頃にあたります。暦の上では春が始まり、5月初旬の「立夏」の前日までが春とされます。
二十四節気では立春から新しい一年がスタートします。そのため、立春を基点に決められた日が幾つかあります。例えば、立春から数えて88日目は茶摘みなどの農作業の目安とされる「八十八夜」、210日目は台風の警戒日である「二百十日」。二十四節気はその名の通り24の節気がありますが、なかでも立春は「1年の始まり」という特別な意味をもっているのです。
「春一番」には要注意!
立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強風を「春一番」と呼びます。気象庁の「春一番」の定義は、
【1】立春から春分までの間
【2】日本海に低気圧がある
【3】強い南寄りの風(風向きは東南東から西南西まで、風速が秒速8m以上)
【4】前日より気温が上昇
という条件を満たすこと。春一番は、長く厳しい冬が終わり、春がやってきたことを知らせてくれます。
「春一番」と聞くと昔の歌謡曲にあるように、楽しい春がやってくるという印象を受けますが、それは間違い。もともとは「春を呼ぶ嵐」という意味で、漁師が使っていた風を表す言葉のひとつだったのです。
春一番は、強風による火災、暴風雨(雪)、雪解けによる洪水、山岳遭難や海難事故、鉄道事故など、数々の災害の要因になることも。日常生活でも注意するようにしてくださいね。
「立春大吉」で厄除けを
立春の早朝、禅寺では厄除けのために「立春大吉」と書いた紙を門に貼る習わしがあります。この文字は縦書きにすると左右対称となるため縁起がよく、一年間災難に遭わないことを願うものです。
家庭でも「立春大吉」の紙札を貼ると厄除けになるそう。紙札は寺社でいただくか、自分で手書きしてもOK。玄関やリビング、子ども部屋など、大切な部屋の入口に、外に向けて目より高い位置に貼るのが一般的です。
監修:三浦康子
和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。
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