※本記事の写真は全てMakuakeからの提供です。
最近、クラフトビール関連のプロジェクトが増えているというクラウドファンディングサイト「Makuake」。ビール好きならワクワクするようなプロジェクトがたくさんありますよね。
そんな「Makuake」が初のクラフトビールイベント「Makuake Craft beer Meetup〜成長するクラフトビール業界におけるヒットの条件〜」を開催。
ゼロからビール事業をはじめたPeter Rothenbergさん、山口 公大さん、山田 司朗さんの3名をゲストに招き、クラフトビールに関するディープな会話が繰り広げられました。
3名のゲスト
Peter Rothenbergさん
(Best Beer Japan CEO)
2007年に交換留学国際基督教大学へ。2010年にUCLAを卒業後、群馬県の嬬恋村に引っ越す。チャット型英語学習サービスEigoooを立ち上げたのち、2015年に事業譲渡して浅草で人力車を引く。2016年にTech in Asia入社。2018年にBest Beer Japan創業。
山口 公大さん
(個人実業家)
慶応義塾大学環境情報学部卒。2010年にDeNAへ入社、さまざまな事業立ち上げを経験。2015年に米IT企業Sprinklrの日本支社創業に参画。プライベートで2018年2月キリマンジャロに登頂し、麓でキリマンジャロビールを振舞われたとき、登山の記憶がビールに保存される感覚を体験しビール事業に興味を抱く。Makuakeのビールカテゴリ史上最高額の支援を集める。
▼支援者の皆様と一緒に、最高のクラフトビールを作り続けるプロジェクト
https://www.makuake.com/project/tryangle/
山田 司朗さん
(Far Yeast Brewing株式会社 代表取締役)
1975年生まれ。ケンブリッジ大学MBA。サイバーエージェントなどドットコム企業でのキャリアから転身し、2011年9月に日本クラフトビール株式会社(現Far Yeast Brewing株式会社)を設立。2017年5月には直営のビアバーをオープンするためMakuakeを活用、360万円以上の支援を集める。
ビール業界の最先端にいる人たちは今何を見て、何を考えているのか。滅多に聞けない、貴重なトークの内容をたっぷりとお届けします。
異業種からビール業界に参入した理由とは?
ゲスト3人に共通するのは、もともとビールと関係のない仕事をしていたことです。
5年の構想期間を経て起業した山田さん、キリマンジャロ登頂をきっかけに、人生をリセットすべくビール業界に興味をもったという山口さん、IT業界からビール業界に参入したPeterさん。
そして、それぞれに共通する考えは「クラフトビール業界にはまだまだ伸びしろがある」ということです。
アメリカでは、ビール市場全体に占めるクラフトビールの金額ベースの割合が23%を占めています。今回のイベントでは、それぞれの視点からみたビール業界をゲストに語ってくれました。
世界と日本のクラフトビール業界事情について
世界規模でみた日本のクラフトビール業界とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
山田さん
山田さん
アメリカにおけるクラフトビールの定義は以下の3つです。
・Small(小さいこと)
・Independent(独立性があること)
・Traditional(伝統的であること)
ただ、最近はクラフトビールが商業的に成功しているため、この定義が崩れつつあるとの見方もされています。それでも定義そのものがない日本に比べれば、クラフトビールとは何を指すのかが明確ですよね。
忘れてはいけないのが、ハイボールや日本酒など、過去の日本の酒類トレンドとの違いはグローバルであること。
クラフトビールは国内だけにとどまらず、世界規模で流行しています、アメリカのビール消費量12.3兆円のうち、クラフトビールが2.9兆円を占めているというデータもあるほどです。
山田さん
クラフトビールは“ブーム”なのか
「クラフトビールブーム」という言葉をよく聞くようになりましたが、そもそもこれは一過性のものなのでしょうか。
山田さんは、とあるブルワーの「クラフトビールは本質への回帰である」という言葉が印象に残っているそうです。
もともとビールは多様性があるものでした。しかし、産業化・単一化するにつれて消費者が飽きてしまい、その結果消費量が落ちてしまったという背景が存在します。
これを「正常な状態に戻そう」という動きが、現在のクラフトビールブームである。また、これこそがクラフトビールに関わる人の使命でもあると考えているようです。
クラフトビール業界に参入するのは簡単なの?
日々ブルワリーが増え続け、新しいビールが次々誕生しています。クラフトビール業界に参入するのってハードルが高いの?という質問に答えてもらいました。
Peterさん
山口さん
また、アメリカで流行っているスタイルと、日本人が好むスタイルは若干異なることを頭に入れておく必要があるようです。
山田さん
さらに、運営コストの高さを指摘したのはPeterさん。
Peterさん
Peterさんの会社では、できるだけコストを抑え、効率よくクラフトビールを流通させられる仕組みを整える事業を計画しているそう
ビールづくりをまだ始めていないからこそ、ブルワーとは違う視点からクラフトビール業界を活性化していきたいとのことでした。
日本はアメリカより15年遅れている
山田さんは、日本のビール分文化がアメリカよりも15年遅れていると指摘します。
とはいえ、戦前から多様なビールを楽しんでいた海外とは単純に比較できないのも事実。ビールそのものの伝統や文化は日本よりもずっと根強いのです。
日本にやってきた時点でビールは商業的なものでした。味が単一化していて当たり前という認識が古くから存在します。この考え方を覆さないことには、海外のビール文化との差は縮められません。
しかし、日本でこれだけクラフトビールが増えている現状を考えると、15年経てば追いつけるのではという見方をしているそう。もし日本でもホームブルワリー(自家醸造)が許可されるようになれば、ビールへの興味や知識がより深められそうですね。
運営コストを下げつつチャレンジを続けることが重要
今後、日本においてクラフトビールを活性化させるためには、できるだけ運営コストを下げながら新しい挑戦を続けることが大切だと3人は語ります。
山口さん
山田さん
大手のビールメーカーを含め、たくさんのクラフトビールが誕生する中で、いかに差別化をはかるかが重要だと考えているようです。
Peterさん
ビールの味を追求するのはもちろん、流通の仕組みを変えていくことでクラフトビールをより身近に、本来の多様性のもとで楽しめるようになるとPeterさんはみています。
私たちが思っている以上に成長が著しいクラフトビール業界。今よりももっとビールを楽しめるようになったらうれしいですよね。これからどのように変わっていくのか。今後の動向から目が離せません。
Makuake Craft beer Meetup〜成長するクラフトビール業界におけるヒットの条件〜
(2018.09.27)
○日時:2018年9月27日(木)19:00〜21:00(受付開始18:30)
○場所:polygon表参道店
(東京都渋谷区神宮前5-9-15 トータルアートワークスクエアB2)