長野県は28日、上田市内の旅館で食事をした36人が、食中毒症状を訴えたと発表。
遠征中の中学生も…
県の健康福祉部によると、今月17日~18日、菅平高原にある『ホテル城山館』で食事をした4グループ・計36人が、おう吐、発熱、下痢などを発症。
うち21人が、医療機関を受診した。
発症者の中には、部活動の遠征中だった中学生も含まれている。

なお、保健所が検査したところ、旅館の調理従事者と発症者19人からノロウイルスを検出。
旅館が提供した食事が原因の「ノロウイルス集団食中毒」と断定した。
そのため、食品衛生法に基づき、旅館の調理部門に28~30日まで、営業停止を命じた。
旅館は朝・昼・夕食提供
旅館が提供したメニューは、
17日:(夕食)バンバンジー、ごまだれ豚しゃぶ、シューマイ、アジフライ、水餃子、マカロニサラダ、レタス、もやし、プリン、ご飯、味噌汁、水 など

18日:(朝食)ロースハム、プレーンオムレツ、ちくわ磯辺揚げ、ポテトサラダ、肉団子、野沢菜、オレンジ、リンゴ、ご飯、牛乳、水 など
18日:(昼食)ヒレカツ、ハンバーグ、ウインナー、大学芋、厚焼き玉子、キャベツマリネ、ミニトマト、つぼ漬け、小梅、ご飯 など
2種類のノロウイルス
今年は、ノロウイルスによる食中毒が大流行している。
その理由として、2種類のウイルスが、時期をずらして流行していることが挙げられる。
通常は1種類だけが流行するが、今年はGII.4とGII.17の2種類が流行中。

GII.17は、新しい遺伝子型のノロウイルスのため、従来の迅速診断キットでは検出されにくい特徴がある。
さらに患者が増加する可能性
そのため、集団感染が発生した際、ノロウイルス感染と判断されるまでに時間がかかる。
結果的に2次感染が起き、さらに患者数が増えてしまう可能性があるのだ。

よって、何よりも調理従事者の手洗いの徹底、また調理器具の丁寧な洗浄・消毒が求められている。