ステーキチェーン「ペーパーランチ」で、食事をした客8人が、腸管出血性大腸菌O157による食中毒に感染していたことが、保健所への取材でわかった。
2人は一時入院
山口県によると、ペーパーランチおのだサンパーク店(山陽小野田市)で、10月15日(日)に、ハンバーグを食べた10歳未満~70歳代の客3人が、下痢や腹痛、発熱などの症状を訴えた。
検査の結果、3人すべてがO157による食中毒と診断された。
なお、3人のうち2人は一時入院したが、現在は快方に向かっているという。
生活衛生課の担当者は、トレンドニュースキャスターの取材に「ハンバーグの加熱不足が、今回の食中毒の原因と思われる」と述べた。
宇部環境保健所は、この店舗を1日(水)16時から4日(土)24時まで、営業停止処分とした。
原因食品は調査中
また、大分市によると、10月19日(木)から21日(土)に、ペーパーランチパークプレイス店(大分市松岡)で食事をした10歳未満から20代の男女計5名が、腹痛、発熱、倦怠感などを訴えた。
検査の結果、5人全員がO157による食中毒と診断された。
福祉保健部衛生課は、取材に「原因となった食品については、現在調査中」と語った。
大分市保健所は、この店舗を食品衛生法に基づき、1日(水)から2日(木)まで営業停止処分とした。
重症化するケースも
腸管出血性大腸菌O157は、毒力の強いベロ毒素を産生する大腸菌の一種で、食中毒を引き起こす可能性がある。
特に、抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者が感染すると、腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある、溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発するなど重症化する場合も。
肉料理は中心部までよく加熱
感染源は主に動物の腸内に生息しており、汚染された食肉やその加工品・飲料水を飲食することで感染する。
また、家庭内では感染者の便で汚染された手指で取り扱う食品などを介して、二次感染を起こすこともある。
感染予防のためには以下の3つの原則が重要。
1. 調理前に必ず手洗い(菌をつけない)
2. 生鮮食品はすぐに冷蔵庫へ(増やさない)
3. 食材を中心までよく加熱(やっつける)
特に肉料理は、中心部までよく加熱することが大事。
また、野菜の除菌には、湯がき(100℃の湯で5秒程度)が有効とされている。