日本人における、死因第2位の心筋梗塞。
心筋梗塞が発症すると、できるだけ早く治療をするのが重要だ。
しかし、心筋梗塞の症状は、「胸が痛い」だけではない。
今回は気をつけるべき症状について紹介する。
胸痛・胸部圧迫感
心筋梗塞の症状で、一番有名なのが胸痛だ。
心臓自体に血液が行き届かないことで壊死していく。
この際に感じるのが、胸の痛みや、胸が圧迫されているような症状だ。
胃が痛い・吐き気・胸やけ
心臓は胸にあるため、通常であれば胸痛が起こる。
しかし、場合によっては心臓から出る痛みが、お腹の方まで広がることがあるのだ。
その場合、胃もたれや胃痛、そしてムカムカと吐き気が起こることがある。
食べすぎたり飲みすぎたりしていないのに、胃が痛く胸やけや吐き気がある場合は要注意。
息が切れる
心筋梗塞になると、心臓の機能が低下する。
心臓には、酸素と栄養を含む血液を全身の臓器に送り届ける役割がある。
心筋梗塞になると、十分量の酸素を全身に届けられず、その影響で肺がより酸素を体内に取り込もうとして息切れが起きるのだ。
また、酸素不足の症状として「なんとなくしんどい」などの症状がある。
歯・あご・左肩が痛い
さらに、心筋梗塞の痛みの特徴として、放散する痛みがある。
これは心臓の痛みが歯やあご、左肩に飛んでいるのだ。
夜中に歯が痛いと病院を受診して、実は心筋梗塞だったという方もいる。
肩や歯が痛い理由に、思い当たることがなければ、注意が必要だ。
食生活も発症要因に!
心筋梗塞の症状は、紹介したもの以外にもさまざまな症状がある。
どのように判断すれば良いのか難しいが、一つの指標として、持病の有無が重要。
具体的には、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病だ。
そして、タバコ、運動不足や糖質・脂質が豊富な食生活などの生活スタイルも、心筋梗塞を発症しやすい。
また、血がつながった家族に、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の疾患にかかったことがある方も、心筋梗塞が起きやすいので注意が必要だ。
生活習慣病や上のような生活スタイル、家族歴がある方は、特に気になる症状が現れたら速やかに医療機関を受診して欲しい。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。