
カナダで開催中のトロント映画祭で唯一のコンペティション部門・プラットフォーム部門のオープニング作品に日本映画で初めて選ばれた、西川美和監督(52)5年ぶりの新作映画「わたしの知らない子どもたち」(10月16日公開)の上映が19日(日本時間20日)に行われた。席上に、今作が初主演の小八重葵美(13)とダブル主演した二階堂ふみ(31)が、同国バンクーバーで撮影していた真田広之が主演とエグゼクティブ・プロデューサーを兼任する「SHOGUN 将軍」シーズン2がクランクアップを迎えた足で駆けつけた。
「わたしの知らない子どもたち」は、西川監督が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品。小八重が演じた12歳の少女・琴子は、音楽家の父(竹野内豊)のもとで穏やかに暮らしていたが、戦争で家族と日常を奪われ、進駐軍相手の慰安施設や路上売春が広がる中、少女であること自体が危険となる現実から逃れるため性別を隠し“少年”として生きることを選んだ。一方、二階堂が演じた、琴子が疎開した学校の教師・曽根も、戦時中は軍国主義教育に加担した側だったが、敗戦によって信念も立場も失い、過去の責任と向き合いながら生きることを余儀なくされていた。
二階堂は「私の祖母が沖縄戦を経験していたということもあり、第二次世界大戦、太平洋戦争で起こったことについては非常に多くのことを学ばせていただく機会がありました」と、自身の戦争との向き合いについて語った。その上で「その中でも戦後の女性がどのように生きていたか、ということにあまり触れられていないケースも多かったので、資料や当時を知る方たちの証言などを元に演じさせていただきました」と役作りについて詳細に語った。西川監督は「安心して任せられる俳優がいいなと思い、二階堂ふみさんに決めました」と二階堂のキャスティング理由を語った。
トロント映画祭は、今年度からプラットフォーム部門の最高賞「プラットフォーム・アワード」受賞作には、米アカデミー賞国際長編映画賞の応募資格が付与される。授賞式は最終日の20日(日本時間21日)に行われる。
