
演歌歌手真田ナオキ(35)が14日、師匠吉幾三(72)の故郷青森県の漁師町、大間町の夏祭り「ブルーマリンフェスティバル2025」で歌謡ショーを行った。
“吉の弟子”という縁から毎年、青森県内でのイベントに参加をしているが、大間町を訪れるのは初めて。
「みなさ~ん、盛り上がっていきましょう」のあいさつでスタート。「ナオキ~」のかけ声を何度も浴びながら、メジャーデビュー曲「恵比寿」や新曲「Nina」、吉のカバー曲「雪国」「酔歌」など11曲を独特のダミ声で熱唱した。「青森といえば師匠の故郷です。今日の昼ご飯は大間のマグロをいただきました。すごくおいしかった」とトークでも盛り上げた。多くのファンでぎっしりと埋まった客席を何度もラウンドして「目標は紅白歌合戦。ぜひとも大間から盛り上げてほしい」と呼びかけた。
今年はデビュー10周年でメジャーデビュー5周年というダブル周年イヤー。年男という節目の年でもある。デビュー以来の目標である紅白歌合戦出場にかける思いはさらに熱く強い。
イベント前の取材では「昨年には親友でライバルでもある(新浜)レオン君が初出場しました。あれで『出たい』との思いが一層強まったし、目指していれば届くんだということをレオン君に見せてもらった。希望になりました。昨年末は家にいましたがすごく寂しかった。今年は家にいないで、外で歌っていられるようにしたい」と悔しさもにじませた。
吉の教えは「歌手である前に人間。現場に出たら犬でも猫でも頭を下げろ。感謝を忘れるな。そうすれば自然と血の通った歌が歌える」だ。教えを守り、応援をしてくれるファンへの感謝の思いはデビュー以来、常に心に刻んでいる。「自分は歌を聞く人に笑顔になってもらうのが好きで、楽しんでもらうのが好き」。そう言い切って「今年もあっという間に8月になり残りもあと数カ月。『今年こそ紅白に』という気持ちで、後半戦もファンの皆さんと一緒に駆け抜けたい」と続けた。
本州最北端に位置し「マグロの一本釣り」で知られる大間町で、声を大にして“紅白一本釣り”を誓った。高級クロマグロは「黒いダイヤ」と称され、高い鮮度と脂の乗りで全国的にも知られている。ダブルの周年イヤーを迎え、初紅白へ意欲を見せる真田のダミ声にも脂が乗っていた。【松本久】
◆真田(さなだ)ナオキ 1989年(平元)12月22日、埼玉県生まれ。11年の東日本大震災発生後に、被災地を訪問する歌手の姿に心を動かされ歌手を目指す。16年に吉幾三が作詞作曲した「れい子」でデビュー。個性的な声を求めて自ら声をつぶした。キャッチコピーは「ノックアウトボイス」。10月13、14日には浅草公会堂でライブを行う。趣味は野球、極真空手初段。175センチ。血液型O。