
歌舞伎俳優市川團十郎(47)が1日、大阪市内で博多座、南座10月公演「市川團十郎 特別公演」の取材会に出席した。
團十郎は「いま歌舞伎が比較的、注目されている」とあいさつ。歌舞伎を題材にした映画「国宝」(李相日監督)が大ヒットし、社会現象になっていることに、「注目が集まっているかどうかは、肌感覚ですよね。5月、6月、7月も参加させていただいた客席の雰囲気。いつもみていただいている方とは別に、若いカップルとかの『見たことないよ~、おっ~』というような雰囲気があった」と“国宝効果”を実感したという。
“国宝ブーム”の背景に「日本の文化と日本人の流れている血というのは、共鳴するんだなと。日本人として生まれながら歌舞伎を知っているけど、見たことないで終わってしまうよりも、1回ぐらい見てみようかというフェーズに入っている」と分析した。
特別公演の昼の部では男女善悪7役を團十郎が1人で演じ分ける通し狂言「三升先代萩(みますせんだいはぎ)」を上演する。
夜の部では歌舞伎を初めてみる人が“共鳴”できるように「Invitation KABUKI 歌舞伎の世界」と題し、国宝で吉沢亮と横浜流星が熱演した女形の舞踊の名作「二人藤娘」を演目に加えた。
團十郎が自身のYouTubeチャンネルで「国宝」の感想を語った動画は再生回数が爆発的に伸びた。この日、改めて「国宝っていう映画は基本的に歌舞伎役者の日常的なことを写実化した映画だと思う。歌舞伎は知っているけど、映画というコンテンツによって開示されたと思う」と感想を語り、「われわれ歌舞伎俳優にもリアリティーがあり、楽しめた」と話した。
博多座「特別公演」は10月1~6日、南座「特別公演」は同10~26日。