
反町隆史(51)が、WOWOWで26年に放送・配信の連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」で、主演の織田裕二(57)が演じる宋江(そうこう)とともに梁山泊(りょうざんぱく)を率い、腐敗した国家権力に立ち向かう、もう1人の頭領・晁蓋(ちょうがい)を演じることが14日、分かった。2人の共演は、20年のフジテレビ系ドラマ「SUITS/スーツ2」以来、約6年ぶり2度目となる。
反町の心を動かしたのは、制作陣からの熱いオファーだった。「2年前、ものすごい熱量でオファーをいただきました。『反町隆史の晁蓋が見たい。ずっと夢だったんです』。そう言われたのは、俳優人生の中で初めてのことでした」。オファーは制作陣の満場一致だった。WOWOWの大原康明プロデューサーは、北方謙三氏の原作を愛読していた高校生の頃から、晁蓋に反町のイメージを重ねていた思いをぶつけた。チーフ監督の若松節朗監督も晁蓋に反町をイメージしており、意外にも初のタッグに期待を寄せた。それが94年のTBS系ドラマ「毎度ゴメンなさぁい」で俳優デビューして30年、演じ続けてきた反町にとっても初体験の熱烈オファーとなった。
反町が演じる晁蓋は、義に生きる姿勢と圧倒的な武勇で、民衆を苛烈な闘志でまとめ上げ、托塔天王(たくとうてんおう)の異名を持つ。織田演じる下級役人の宋江が、世直しを誓って書き記した「天に代わって正義を行う」の意味を持つ書「替天行道」と出会い、同じ志を持つ仲間となる。
剣の達人でも軍略に秀でた知将でもなくとも、どんな人間も見捨てずに信じ、包み込む生きざま、信頼で人を動かす…いわば静の宋江とは全く異なる資質を持つ、動の頭領として体制に反旗を翻した者たちが集う志のとりで、梁山泊(りょうざんぱく)で並び立つ。反町は「軍略と統率力に優れ、反乱の先頭に立って突き進む晁蓋は、まさに英雄。晁蓋という漢に心を奪われ、演じることの喜びが、役そのものを育て、やがて自分をも育ててくれました」と、役を生きることで自らも成長できたと語った。
24年12月から始まった撮影は、主演の織田も「この作品は半年が経過してもまだ終わらない。8カ月かかる予定だという。これまで40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影は無かった」と語る、壮大なものだ。反町は「織田裕二さんをはじめ、キャスト・スタッフと一丸となって撮影に挑んだ壮大で熱い、この作品を皆さまにお届けできるのが今から楽しみです」と期待した。
若松監督も、コメントを発表した。
若松節朗監督 反町隆史は面白い男である。芝居も素もたまらなく面白いのだ。仮面を被った、馬上での静かで異様な佇まい。派手なブルーの衣装に包まれたビジュアルがここまで似合う男はいない。その圧巻の姿に、つい笑みが浮かんでしまう。そして、反町隆史は照れ屋でもある。普段、余り多くを語らない控えめな彼の、今回の任務は、とてつもなく重い。織田裕二と一緒に世直しに挑むもう一人のカリスマで、静なる宋江とは対極にして、果断で統率力抜群。動なる軍略の雄を演じなければならないのだ。義侠心(ぎきょうしん)に厚く厳格な強い男を荒ぶって匂わせて欲しい。それでいて、どこか楽観的でニヒルな笑いも見せて欲しい。何とも難しい役どころではあるが、カレーを食べている様な爽やかさも出してくれるので実にうれしい。まばゆい程の「生きる光」を発し続ける晁蓋も、反町隆史とダブって見えるから不思議である。反町隆史が楽しんで演じている晁蓋にご期待下さい。
◆「北方謙三 水滸伝」 累計発行部数1160万部を記録する「大水滸伝」シリーズの1つ「水滸伝」全19巻を完全映像化。腐敗がはびこる乱世に、正義を信じるひとりの下級役人が立ち上がった。その名は宋江(織田裕二)。彼が記した“世直し”の書「替天行道」は、時代に抗う者たちの心を震わせる。裏社会に生きる者、軍を追われた者、すべてを捨てた者たちが、旗のもとに集結。戦う理由は違えど、志はひとつ。信じる者のため、旗のもとに集結した108人が、国家という巨大な敵に挑む、理不尽な時代を変えようとする者たちの、命を懸けた反逆の物語。