
竹野内豊(54)の主演映画「雪風 YUKIKAZE」(山田敏久監督、8月15日公開)完成報告が9日、都内で行われた。席上で、初共演の玉木宏(45)が「ここまで車で来ましたが、エアコンの吹き出し口を1つ、1つ触って(冷気が)後ろに行くように確認した」と竹野内の繊細な人柄、並外れた気遣いを感じさせるエピソードを明かした。
「雪風 YUKIKAZE」は、米国をはじめ、戦勝国からも“世界一の幸運艦”などとたたえられた伝説の“不沈艦”を、史実に基づきフィクションとして描いた作品。機動性の高い駆逐艦の中でも、雪風は敵の攻撃で海に投げ出された兵士を救い続け、主力だった甲型駆逐艦38隻のうち、激戦を生き抜き、沈むことなく終戦を迎えたのは、雪風ただ1隻だった。艦長・寺澤一利を竹野内、部下の先任伍長・早瀬幸平を玉木、若き水雷員・井上壮太を奥平大兼(21)が演じた。
まず、初共演についての質問に、竹野内が答えた。「お互いの役どころの設定上、現場で多くを語ることはなかった」と撮影を振り返った上で「鍛え上げられた体形、はらから響き渡る声…全身から先任伍長が、にじみ出していた。最初から先任伍長として存在していた。素晴らしかった」と玉木を絶賛した。
玉木は、この日、会場に一緒に移動してくるまでの、車内での竹野内の振る舞いを明かした。そして「竹野内さんは、そんなにイメージは大きく変わらなかったですが、物腰が柔らかく穏やかで繊細な優しさがあった」と竹野内を評した。
竹野内は“世界一の幸運艦”などとたたえられた雪風について聞かれ「激戦の中、必ず帰ってくるのは奇跡としか言いようがないと思う」と語った。そして「私、この映画を見た時、何げなく使っていた『助け舟』という言葉を、改めて考えさせられた。雪風の乗務員の方々の、高い精神性、強い精神力が幸運を作り上げ、幸運艦になれていたんじゃないか」と語った。そして「単なる歴史の1ページで終わらせてはいけない。絶対に、本当の戦争の恐ろしさを知り得ることは、どうしたってできないと思う。映画で体感することで、皆さんの心のより深くに情景として記憶に残せるんじゃないかと作りました」と熱く語った。