
俳優ひかる一平(61)と直江喜一(62)が29日、都内で公開中の映画「還暦高校生」の舞台あいさつに出席した。1980年から81年にかけて放送されたTBS「3年B組金八先生2」以来44年ぶりの共演だ。
大学受験に失敗し続けて42回落第した還暦、60歳の高校3年生役の衣装、学生服姿で登場したひかるは「今回、コスプレーヤーではございません」と笑った。そしてオファーを受けた時のことを「冗談かと思いました。60歳ですよ、学生服なんて。でも、毎回着て慣れてきたのが怖い。この映画は“面白映画”だと思うんですよ。だけど、みなさんが(映画館に)来てくれたおかげで、感動のフィナーレが追加されました。昭和の世界を懐かしく思いだしてもらえれば」と話した。
昨年の東京・日本橋三越の新春福袋企画で「河崎実監督に500万円で映画を撮らせる」権利を、教頭役で出演している長谷摩美がゲットしたことからスタート。長谷が、ひかるの大ファンだったことから主演が実現した。ひかるは「日本橋三越の福袋のことも知らなかった。でも、一生懸命やっていれば誰かが見ていてくれる。一生懸命やっていたから、60歳になってご褒美をいただけたんだと思う。いろいろな意味で感謝しなくてはいけないと思います。還暦になったら、赤いちゃんちゃんこじゃなくて、学生服を着てみてください。結構、脳内が若返ります」と話した。
「3年B組2」でひかるは椎野一(はじめ)、直江は加藤優役を演じた。直江は「ひかると40数年ぶりに共演できて楽しかった。この話をいただいたのは、一(ひかる)からLINEをもらったがきっかけ。それで出ちゃいましたね。椎名一と加藤優に戻っちゃいます。『還暦高校生』というから、中学しか出ていなくて一生懸命働いてから、定時制行くほのぼのとした映画かと思ったら42回もダブっていた」と笑った。
「3年B組2」の加藤優は不良で「腐ったミカン」と呼ばれ、放送室に立てこもるシーンが話題を呼んだ。今回も立てこもるシーンに「やるんかい、と思いました」。そして「俺は腐ったミカンなんかじゃないんだ!」とせりふを決めて、大きな拍手を浴びた。
河崎実監督(66)は「みなさん、怒ってないですよね。私の映画はいつもメチャクチャなんですけど、今回は、かなりメチャクチャ(笑い)。『いかレスラー』とか違うものを組み合わせると面白くなるんですけど、還暦と高校生、『還暦高校生』という題名を考えついたことで、勝ったと思いました。(72~73年日本テレビ)『飛び出せ青春』のエッセンスも入っています。最初に、先生が生徒をぶん殴りますからね(笑い)。パロディーというより、結構、本気のことやっています」と話した。
他に石田泰誠、戸苅ニコル沙羅、森井信好、古谷敏が出席した。
◆ひかる一平(いっぺい)1964年(昭39)5月11日、東京都生まれ。79年ジャニーズ事務所入り。80年TBS系「3年B組金八先生」第2シリーズの椎野一役で俳優デビュー。81年「青空オンリー・ユー」で歌手デビュー。172センチ。血液型O。
◆直江喜一(なおえ・きいち)1963年(昭38)1月8日、東京都生まれ。75年劇団「こまどり」入団。79年TBS「3年B組金八先生」で俳優デビュー。80年TBS「3年B組金八先生」第2シリーズで加藤優役を演じブレーク。164センチ。血液型O。