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沙倉ゆうの、信頼の240万円 タッグ20年!「侍タイムスリッパー」安田淳一監督との裏話


日本映画界で大ヒットした「侍タイムスリッパー」のブルーレイ、DVDのリリースを記念し、沙倉ゆうののインタビューが行われた。彼女は映画製作の深い関わりを語り、安田淳一監督との長年の協力関係を強調した。元バレリーナとして京都のコンテストから映画の道に入り、助監督としても活動する沙倉は、製作費の一部を立て替えるなど映画の成功に貢献したことを明かした。また、安田監督は愛車を売って資金を調達するなど、情熱を注ぎ込んで映画を製作していることも話題となった。「侍タイムスリッパー」は、日本アカデミー賞で作品賞と編集賞を受賞し、興収10億円を突破する成功を収めた。今後も安田監督と共に映画製作を続ける意欲を示しつつ、さらなる期待が寄せられている。

柔らかい笑顔でインタビューに答える沙倉ゆうの(撮影・たえ見朱実)

<情報最前線:エンタメ 映画>

昨年の日本映画界を席巻した「侍タイムスリッパー」のブルーレイ、DVDが4日、リリースされた。

助監督の山本優子を演じ、実際に助監督も務めた沙倉ゆうの(45)が現状を語ったインタビューを、5月16日付の日刊スポーツに掲載した。今回のパッケージ発売を記念し第2弾をお届けする。安田淳一監督(58)が愛車まで売り払って捻出した、2600万円の製作費の一部を立て替えるなどした製作の裏側やタッグを組んできた同監督との今後を聞いた。【村上幸将】

■出会いのきっかけは「京都」

沙倉と安田監督は、20年にわたって映画製作の道を歩んできた。そもそも、出会ったきっかけは何だったのだろうか?

「京都の浴衣のコンテストに応募したのをきっかけに、主催した京都の事務所に入りました。そして2005年(平17)に撮ったイベントのオープニングムービーの撮影で(京都出身・在住の安田)監督と知り合いました.元々、OLさんの話の予定で他の女の子にオファーしたのを、私がトーシューズを履いている写真を見て、バレリーナの話にしたんです。3分くらいの映像だったんですけど、1年後に短編にするということで撮影した『シークレットプラン』が、安田監督と私にとって、初めて製作した映画になりました」

安田監督は、大阪経済大在学中に8ミリビデオで映像制作を始めた。地元の京都で幼稚園や結婚式の撮影などを手がけて腕を磨き、14年に製作、公開した長編デビュー作「拳銃と目玉焼」で、沙倉を喫茶店で働く薄幸のヒロイン・ユキ役に起用。17年の「ごはん」では、父が突然、亡くなり、派遣社員として働く東京から京都の実家に帰り、米農家を継ぐことになった主人公ヒカリ役に抜てきした。

「監督との映画製作は(作品ごとに)何年か空いていて、グラビアの仕事をしていました。『ごはん』の撮影時は、京都の事務所の契約更新の年だったんですが、事務所はほとんど動いていなくて、その後、すぐになくなった。自分で仕事を取りに行く方法が分からない私の仕事を(安田監督が)製作して作ってくれた…それが『ごはん』です」

未来映画社は安田監督が立ち上げた、いわば個人の映画レーベルだ。

「『ごはん』を撮り始めた1年目の14年の冬に『拳銃と目玉焼』が劇場公開されたんですが、その時に未来映画社を作ったんです。『拳銃と目玉焼』の時は、監督が(全国の)劇場さんのリストを作ったり、やりとりしていたんですが『ごはん』の時は、監督がすごく忙しくて、私がリストをもらって『この劇場に連絡して』と言われ、配給もしました」

■監督は愛車売り払って捻出

「侍タイムスリッパー」は、安田監督が愛車まで売り払い2600万円もの製作費を捻出し、自主映画として時代劇を製作したことも話題を呼んだ。沙倉は助監督を務め刀、小道具の管理を担当しただけでなく製作費の一部を立て替えた。

「大きなお金がかかった時や(出演者の中で)芸能事務所にいる俳優の方々は、後から請求書がきて監督が振り込んだんですけど…手数料がかかるじゃないですか? 撮影は半年間だったので(手数料だけでも)結構、大きな額になるから、フリーの俳優さんや製作スタッフの方は、ちょっとでも経費を減らしたいということで、その場で領収書を書いてもらって払っていました。そういうのを毎日、払うお金がなかった。結果、240万円くらい立て替えたんです」

■「立て替え」から「出資」へ

公開時に劇場で販売されたパンフレットの中で、安田監督は沙倉が立て替えたお金を返金するか、作品の可能性を見極めて出資に切り替えるか考えると語っていたと触れている。その件について聞くと、沙倉は当時を振り返り、説明した。

「立て替えている時点では、出資というのはなかったんですけど、返してもらったりしている中で『出資してもいいね』と言われて。(23年10月に作品が特別招待された)京都国際映画祭の反応を見てから考えると…そこは計算して、出資しちゃおうと(笑い)」

出資した資金は、返してもらったのだろうか?

「出資分は、まだです。だって、まだ興行が終わっていないので。ただ…撮影の時のギャラが、まだなんです。だって、自分が立て替えているんで(笑い)。舞台あいさつのギャラは、もらっていますけど」

■未来映画社立ち上げの1人

実は、未来映画社の立ち上げメンバーに名を連ねている。

「未来映画社には籍があるというか…作った時の理事みたいなのには入っています。(設立時には)5人くらい、どうしても必要なので。母もいます」

そのことを含め、安田監督と、なぜ20年も手を携えて、映画製作を続けてきたのだろうか?

「やっていこうとは思っていないですけど…結果的に、そうなっていただけ(笑い)。ただ『ごはん』を撮り始める時には、何か分からないですけど『長編映画を3本は一緒に頑張って作ろう』という話をして始めました。1本は『拳銃と目玉焼』で撮っていたので」

「拳銃と目玉焼」「ごはん」そして「侍タイムスリッパー」で演じた3つの役の共通点から、1つの回答を導き出している。

「基本的に全部、いい子の役が多いしヒロインもやらせていただいた。3本とも(演じたのは)監督の理想像の女性なんですよ」

「侍タイムスリッパー」は、昨年8月17日に東京・池袋シネマ・ロサ1館で公開し、1カ月後に全国100館に拡大。同年末の日刊スポーツ映画大賞3冠を皮切りに国内の各映画賞を制し、今年3月の日本アカデミー賞で作品賞と編集賞で最優秀賞を獲得。興収10億円を突破した。その後、安田監督の元には、さまざまなオファーがあるというが、自身の新作については納得した脚本・企画開発ができることが製作の条件。今後、同監督の映画作りに、どのように関わっていくつもりなのだろうか?

「(安田監督は)お仕事としては(映像制作は)やるみたいなことは言っていましたけどね。自分の作品となった時には、やっぱり自分が好きな、合った作品みたいなのは、あるみたいですね。今後の起用? どうでしょう。分からない」

そう口にしつつ、沙倉は笑った。安田監督への揺るぎない信頼と情が、あふれて、にじんだ。

<安田淳一監督インタビュー>

<1>沙倉について

結構、クレバーでね。しっかりしているんです。僕が、しっかりお金を返すと信頼してくれているし、変なものを作らへん、という信頼もある。僕らが作りたい映画の方向と、あの人のビジュアルが合うんですわ。子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで好かれそうな面立ちやし、何と言ってもスケジュールが押さえやすい(笑い)。

<2>今後について

自主映画としてやってきた1本目から、子どもから大人まで楽しむことができる、シネマコンプレックスで見るような娯楽映画に取り組んできました。具体的になっているものは、まだないんですけども、前は企画書を書いても誰も見てくれないから自分でやっていたのが、今は持ち込みの話も、ちょっとずつある、幸運な状況にあるかなと。やっと本格的な娯楽映画に取り組める希望を感じています。大手からも、ちょろちょろ話は来ています。でも、預金通帳が7000円、切った男ですので、そろそろ人のお金で撮らせて欲しい(笑い)。

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