
<第34回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式>◇31日◇東京・テアトル新宿
河合優実(24)が、主演映画「ナミビアの砂漠」で新人監督賞を受賞した山中瑶子監督(28)の祝福に駆けつけ、花束を贈呈した。
河合は「山中さん、おめでとうございます。明日は、どういうことがあるんだろうと毎日、ワクワクしていた。そういう体験をさせていただき、ありがとうございます」と撮影を振り返りつつ祝福。「1ファンとして、どういう世界が見られるか楽しみ」と、同監督の今後に期待した。
山中監督は、10年前の第24回で山戸結希監督(36)が同賞を受賞した際、客席で見守り、授賞式後のオールナイト上映も鑑賞したと明かした。「10年前、大学1年だったんですけど、山戸監督の作品が見たくて、オールナイト上映を見ました。感慨深い…うれしいです」。そして「『ナミビアの砂漠』を機に、映画作りが楽しくなった。これからも楽しく映画作りをしていきたい」と感慨深げに語った。
「ナミビアの砂漠」は、19歳で撮影した初監督作「あみこ」(17年)が、ぴあフィルムフェスティバル観客賞を受賞し、ベルリン国際映画祭(ドイツ)フォーラム部門に史上最年少で招待された、山中監督の本格的な長編第1作。河合演じる、世の中も人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている21歳のカナが自分の居場所を探していく物語。24年5月に世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)と併設して開催されたフランス監督協会主催の独立部門・監督週間に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞した。
主人公にどういう思いを込めたかと聞かれると、山中監督は「あまり言葉でコミュニケーションを取るのにたけてない。体や行動に出るキャラクター。うまくコミュニケーションが取れなくても、嫌な振る舞いをする人も、映画の中でイキイキ存在してもいいじゃないか。長い人生に、間違いがあっても、いいじゃないかと思っていました」と説明した。
河合にも「走ったり転んだり、たたいたりアクション的な描写が多いが?」と質問が出た。河合は「特にケンカのシーンだったりは作り方が面白くて。1番、きつい激しい暴力、ウソが本当に見えるようにと、他の作品ではやっていた。そこがゴールではなく、見ている側がカラッと笑えるには、どういう動きが良いか、擦り合わせるのかはユニークで楽しい作業。いろいろな動きと体を撮ってもらって、楽しかった」と振り返った。