
AKB48村山彩希(27)が明日6日、東京ガーデンシアターで、自身の卒業コンサート「昼の部~劇場が教えてくれたもの~」「夜の部~りんごの花が咲く頃に~」を開催する。AKB48劇場公演出演数が史上初の1000回を達成するなど、「劇場(シアター)の女神」として“AKB48らしさ”を体現してきた。節目のステージを前に自身の原点を振り返り、熱いグループ愛をにじませた。【玉利朱音】
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11年に、14歳でAKB48の13期生としてお披露目されてデビュー。これまでの人生の約半分もの月日をグループにささげてきた。アイドルとしての日々は「勉強」だったといい、「“青春”と言いたいところですけど、そんなキラキラしすぎてたわけでもなかった。人間関係もそうですし、お仕事として、プロとしても学ばせていただいた場でした」と真っすぐに語った。
加入から約14年。ここまで続けられた理由については「もう、圧倒的劇場のせいですね!」と即答。長らく中心メンバーとして活躍し、グループの活動の柱の1つである「劇場公演」をこよなく愛した。
「私としては、日本のアイドルは手の届くような親近感が大事なのかなって」と、“会いに行けるアイドル”を貫いた。劇場公演にこだわるようになったのは、グループの先輩である中田ちさと(34)の存在が大きいという。
「ちぃちゃん(中田)が腰を悪くしていた時があって。かばいながらもつらいところを見せないように劇場に立つ姿を見て、支えたくて、そばにいたんです」。中田は当時選抜外で「選抜じゃない先輩がどうあるべきか、ちぃちゃん自身も悩みながら劇場に立ち続けていて。それを聞いて『次は私が劇場を支えられるようになりたい』と思いました」。
そこから誰よりも劇場に立ち続け、公演のプロデュースも手がけた。20年に劇場公演出演数が史上初の1000回を達成し、昨年には1300回に到達。劇場公演の歴代最多出演記録を更新し続けている。
「劇場の女神」と称される。肩書について「謙遜でしかない」と恐縮しつつ「初めて1000回を達成したのが自分というのは、AKBの歴史に初めて名を刻めたのかなって思えた瞬間でした」と笑顔。「劇場は私の人生に欠かせないもので、自分を作り上げてきてくれたもの」と万感の表情で語った。
6日に開催される卒業コンサートは、自身の希望から昼夜2部構成で行われる。昼の部は、自分らしく「とにかく“劇場”を詰めこんだセットリスト」と説明。一方夜の部は、自身の歴史をたどるような構成で「エモいな、懐かしいなという瞬間もきっとあると思います。これまでできなかったことを詰め込んでいたりもするので、ここに来てまた新しい一面を見せられたらと思います!」と期待を高めた。
自身の誕生日である6月15日にはAKB48劇場で卒業公演を行い、愛するグループと劇場に別れを告げる。「AKBが大好きで、自分としてもこれ以上自分に合うお仕事はないんじゃないかと思うんです。今でも時々『なんでAKBやめるんだろうな』って思うくらい」とおちゃめに笑った。
それでも決めたゴールに向かって、ラストスパートをかける。まずは来る卒業コンサートに向け、心は燃えている。「いったん燃え尽きてもいいかなっていうくらいの気持ちで、全力で臨みたいと思います!」と熱く意気込んだ。
ステージを去る最後の瞬間まで、「劇場の女神」の大きな背中を見せ続ける。
◆村山彩希(むらやま・ゆいり)1997年(平9)6月15日、神奈川県生まれ。愛称「ゆいりー」。子役をへて11年にAKB48の13期生として加入。18年のシングル「ジャーバージャ」で初選抜入り。24年のカバーアルバム「なんてったってAKB48」のリード曲「なんてったってアイドル」でセンター。シングル選抜はこれまで12回。157・8センチ。O型。