
シンガー・ソングライター小田和正(77)が1日、静岡・エコパアリーナで、2年ぶりの全国アリーナツアー「みんなで自己ベスト!!」初日公演を開催した。77歳7カ月での全国アリーナツアーは、23年8月に75歳10カ月で開催した自身の記録を塗り替え、国内アーティストとして史上最年長記録を更新。まさに“自己ベスト”を塗り替え続ける勇姿を、全国に届けに行く。
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冒頭から全長200メートルの花道を歩き、ファンと近距離で目を合わせた。持ち前のハイトーンボイスで8000人を魅了し「こうしてみんなに会えることを非常にうれしく思います。どうもありがとう」と感謝。「僕の今日のテーマは最後まで転ばないでたどり着くこと」とおちゃめに笑い、会場を大いに沸かせた。
現時点で77歳7カ月。同ツアー中の9月には78歳を迎える。それでも中1~2週間のペースで各会場2公演ずつ開催予定で、精力的にステージを届ける。所属事務所によると小田は週2回のジム通いを継続しており、パーソナルトレーナーとトレーニングに励んでいるという。
人気、実力ともに衰えを感じさせない。昨年11月発売のベストアルバムは「オリコン週間アルバムランキング」初登場2位。「アルバムTOP3入り最年長アーティスト」記録で歴代1位となった。ライブでは親子2、3世代でのファンも目立ち、関係者は「(キャリアの中で)今が一番チケットが取れない」という。
同ツアーのセットリストは年明け頃から綿密に練り上げたという。数々の代表曲のほか、昨年リリースの「その先にあるもの」「すべて去りがたき日々」をライブ初披露した。
中盤には、客席降りでファンに接近。大歓声に包まれ、感極まった様子で目のあたりを押さえて「ありがとうー!」と何度も叫んだ。アンコールでは花道を走る場面も。約2時間でアンコール含め全20曲を披露し、万感の表情でステージを去った。
同ツアーは10月の横浜アリーナ公演まで13カ所28公演で31万人を動員予定。ステージに立ち続け、ファンと向き合う喜びと感謝をかみしめる。【玉利朱音】
◆小田和正と同年代で活動する主な歌手 親交の深い財津和夫(77)がリーダーのチューリップは、昨年まで50周年記念ツアーを開催。布施明(77)は7日に日本武道館でデビュー60周年コンサートを行う。森進一(77)はNHK BSの歌謡番組などに出演中。美川憲一(78)は9月にデビュー60周年記念シングルを発売。小椋佳(81)は「歌紡ぎの会」で全国ツアー中。ささきいさお(82)は7月16日に「65周年記念ベストアルバム」を発売。