
歌手の三浦大知(37)が、ソロデビュー20周年を迎えた。世界水準のダンスと天性の歌声で、日本武道館やNHK紅白歌合戦など、数々の大舞台を経験。1歩ずつ着実にステップアップを重ね、日本を代表するアーティストになった。
現在、20周年記念ツアー「太陽に焼かれて踊りましょう 雨に打たれて歌いましょう」を開催中で、今月30日と5月1日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAYで、5月16日と17日の大阪城ホールで、それぞれライブを開催する。
20周年の節目に、最大の試練が立ちはだかった。8日夜、自身のインスタグラムでライブ配信を実施。アリーナ4公演について「実は、チケットがかなり残っています」と明かした。
日刊スポーツの取材に応じた三浦は「インスタライブをさせてもらった時は各公演で(売れ行きが)49%ぐらいだった」と実情を打ち明け、「ここまでのことはこれまでになかった」と語った。ファンへ不安や心配を与える発信にもなったが、むしろ「この日を楽しみに申し込んでくださった方がたくさんいる。その方たちがまっすぐ楽しめる場所にしないといけないし、複雑な気持ちでライブを見るのだけは避けないといけない」と現状を包み隠さず打ち明け、助けを求めた。
関係者によると、同ツアーは大半の会場でチケットが完売していたといい、三浦も「これまで埋めるのが大変だったエリアでも立見が出たり、今までにないくらいお客さんに来ていただいていた」と手応えはあったという。
アリーナ公演はゴールデンウイークの中日で平日開催と、厳しい条件が重なったが、「発表する前から『頑張らないとね』って話はしていた。いろんな要因はあると思うし、もちろん自分の力不足もあります」と責任を痛感していた。
三浦のSOSはすぐに話題となり、多くのファンが「三浦大知のために!」とSNSで懸命に呼びかけた。翌日にはライブを宣伝する投稿であふれ、「みなさんが前向きに協力してくださって、三浦大知って愛されているな…ととても感動しました」と頬を緩めた。数日たち、「ちょっとずつ、数%ずつ伸び始めて、みなさんの力が数字に反映され始めている」と感謝を込めた。
今回のツアーは「縛りなく、みんなで歌って踊るお祭りのようなライブ」とし、「今だからできるものも入れながら、三浦大知を知らない人にも楽しんでもらえるエンターテインメントを作ろうというのがコンセプト」と語った。
さらに「曲順や音楽のつながり方やコード進行のアレンジの部分を1段も2段も磨き上げて、音楽力が底上げされたツアー。基本的にノンストップなので、音楽に満ちた豊かな体験ができると思います」と予告。「とあるパートは4日間でちょっとずつ楽曲を変えています」と4日間でそれぞれ異なる体験を用意した。
最後に「20年続けさせてもらっているのはみなさんの力があってこそ。こうして正直に話した方がいいと思えたのも、みなさんからの愛をいつも感じていて、まっすぐ受け止めてくださるだろうという信頼があるからだと思います。当日どんな景色になるかわからないけど、この空間を選んでいただいた方々が思いきり楽しめる空間にできるように全身全霊で準備しています。アリーナに見に行けない方にも届くようにパフォーマンスするので、ぜひ遊びに来てください」と改めて呼びかけた。【野見山拓樹】