
歌手の三浦大知(37)が、ソロデビュー20周年を迎えた。世界水準のダンスと天性の歌声で、日本武道館や4度のNHK紅白歌合戦など、数々の大舞台を経験。1歩ずつ着実にステップアップを重ね、日本を代表するアーティストになった。このほど日刊スポーツの取材に応じ、これまでとこれからの歩みを語った。
20年。大きな目標に向かって突き進んできたわけではなく「目の前にある興味や好奇心に対してまっすぐやっていた」と明かし、「1歩1歩の積み重ねていたら20年たっていた感じです。好きな音楽やダンスを20年もさせていただけて、本当に恵まれていると思います」と語った。
歌手を志したきっかけは、マイケル・ジャクソンだった。幼少期から踊ることが好きだったといい、「両親が僕が踊っているのを見て、沖縄アクターズスクールの体験レッスンに連れて行ってくれた」。アクターズスクールに通い、MAXやDA PUMPらからダンスや歌を教わりつつ、「マイケルみたいに唯一無二で、オリジナリティーあふれるアーティストになりたい」と大きな夢を抱いた。
それでも、「僕もマイケルがマイケルという山を登り続けたように、三浦大知という山を登り続ける唯一無二の存在になりたかった」と、“三浦大知”としてのオリジナルにこだわって、パフォーマンスを磨いた。
08年リリースの6枚目シングル「Inside Your Head」で、初めて自身で振り付けを行った。「使われなくてもいいから1回やらせてもらっていいですか? と言ってやらせてもらったら、スタッフさんに『いいじゃん!』と言ってもらえて、そこから自分で自然と振り付けを考えるようになった」と振り返り、「三浦大知のオリジナルを作るきっかけとして大きかった」と語った。
三浦大知のオリジナルを確立し、数々の大きなステージに立つようになった。中でも18年に「天皇陛下御在位三十周年記念式典」で、現在の上皇ご夫妻の前で歌唱したことは「印象深い出来事だった」とし、「陛下に向かって歌わせていただいて、出る前は本当に緊張しましたけど、お二方と目が合った瞬間すごく優しい表情をしていらして、一気に緊張が解けた」と当時を振り返った。「“うちなーぐち”の歌で自分も沖縄出身で、いろんなものが重なったと思いますけど、本当に光栄でした」と、改めて喜びを語った。
20年間、誰もが楽しめる“なんでもアリ”のエンターテインメントを突き詰めてきた。NHK紅白歌合戦で披露した「無音ダンス」をはじめ、自身のスキルを生かして自由なパフォーマンスを行ってきた。三浦は「クリエーターにも楽しんでもらいたい」とし、「三浦大知というフィールドに遊びに来たクリエーターが『このフィールドならどんなクリエーターも攻めた楽曲も表現もやってみよう!』と120%楽しめるプラットフォームでありたい」とこだわりを語った。続けて「三浦大知が実験や挑戦をしてもらえる存在であれたら、それ以上に光栄なことはないですね」と、変わらず豊かなパフォーマンスや表現を追求していく。
この先25周年、30周年と続くアーティスト活動を見据え、「とにかく1歩1歩。自分にしかできないことを変わらずに模索し続けて、パフォーマンスを磨いて、ファンみなさんに恩返しをしていきたい」と、1歩ずつ三浦大知の山を登り続けていくことを誓った。【野見山拓樹】