
市川染五郎(19)が25日、都内で、「四月大歌舞伎」(同3~25日、東京・歌舞伎座)で上演する新作歌舞伎「木挽町のあだ討ち」の取材会に、原作の永井紗耶子さん、脚本と演出の齋藤雅文さんと出席した。
歌舞伎や芝居小屋を舞台にした物語。染五郎は「芝居っていいなあ、歌舞伎ってすごいなあという原作の熱さがこもった作品」と話し、原作も歌舞伎界の中で話題になっていたとした。
主人公の成長物語ということで、染五郎は「成長過程をきっちりお見せしようと思います。新作ですから、せりふ回しや声のトーン、動き、一から作っていかなければならないですが、原作、脚本をしっかり読んで、削っていったせりふや動き、気持ちを忘れず、内面的な部分も意識して積み上げていきたい」と語った。
27日には20歳を迎える。染五郎は「年齢を意識してなく、年齢で区切ったり、何歳までにこれを、ということはない。明日こそもっといいものを、自分ができる最大限をやろうという積み重ねできました」とした上で「社会的には大人なので、責任を持たなきゃいけない。今回も主役をやらせていただきますので、責任を果たしたいと思っています」と話した。
染五郎の成長ぶりについて、一緒に仕事をするのは7作目という齋藤さんは「月並みな言い方では、めざましいスピード。ちょっと違うのは、脱皮して別のものに変わっていく感じというスリルはある。一皮むけるぞ、さなぎになるぞ、今度は羽根が生えるぞという予感があります」と話し、「20歳かあ、乾杯できるね。(父の松本)幸四郎さんとギョーザ食べに行ってもノンアルだからね」と笑った。
幼少期から歌舞伎を見てきたという永井さんは、染五郎の主演について「推しにやっていただく気分です」と笑みを見せた。