
観劇の日々ですが、ドラマもよく見ます。今、はまっているのが松坂桃李主演「御上先生」と、広瀬すず主演「クジャクのダンス、誰が見た?」(ともにTBS系)です。
「クジャク-」は謎が謎を呼ぶ展開に目が離せませんが、出演者も演技派がそろっています。中でも、第6話から登場している弁護士鳴川役の間宮啓行(65)に注目しています。
最初は、あまりドラマでは見ない人が出ていると思っていたんですが、しばらくして「もしかして、舞台によく出ている間宮さんかな?」と気付いて、チェックしてみると、さまざまなシェークスピア作品に出演している俳優の間宮啓行でした。
大学卒業後、シェークスピアシアターに参加しました。ノーメークで、ジーパン姿で演じることから「ジーパンシェークスピア」とも言われた人気の劇団ですが、そこで10年ほど活動した後、シェークスピア作品を主に上演することを目的に開場した東京グローブ座にできたユニット「グローブ座カンパニー」に参加し、子供向けのシェークスピア作品に出演していました。
その後、蜷川幸雄演出「ロミオとジュリエット」「ヴェニスの商人」「ヘンリー四世」、吉田鋼太郎演出「ヘンリー八世」「アテネのタイモン」などに出演するなど、日本のシェークスピア作品には欠かせない俳優の一人です。演出も手がけていて、人気落語家の柳家喬太郎が脚本を書いた舞台「基礎体温」で演出もしています。
最近は舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」にも出演するなど活動の場を広げ、今回も民放ドラマには初めての出演だそうです。そういえば、「クジャク-」で死刑囚役の酒向芳はオンシアター自由劇場出身ですし、屋台ラーメンの店主役の酒井敏也はつかこうへい事務所の舞台でデビューしました。刑事役の藤本隆宏は2度も五輪に出場した元水泳選手ですが、引退後に劇団四季に入り、「キャッツ」などにも出演していました。
舞台歴は40年を超える間宮もこれからはドラマに登場する頻度が高くなりそうです。【林尚之】