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奈緒「希望ある世代に伝えたい」実在の「戦争花嫁」甥のTBS社員手掛けた映画の舞台主演に意欲


TBSドキュメンタリー映画祭で、川嶋龍太郎監督の「War Bride 91歳の戦争花嫁」が上映され、女優の奈緒が舞台挨拶に登壇しました。この作品は、戦後間もない1951年、米軍兵士と結婚した「戦争花嫁」、桂子ハーンさんの人生を描いています。映画では、戦争の余波を受けた時代背景と彼女の家族や日常が描かれています。奈緒は舞台版「War Bride」に出演予定で、桂子さんを演じることに深いつながりを感じたと述べています。また、川嶋監督は、フィクションから真実を伝えることの大切さと、舞台化を通じてさらに物語を広める意図を説明しました。映画祭はTBSドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」の一環として、全国6都市で開催されています。

TBSドキュメンタリー映画祭「War Bride 91歳の戦争花嫁」上映後舞台あいさつに登壇した川嶋龍太郎監督と奈緒(撮影・村上幸将)

奈緒(30)が23日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催中の、TBSドキュメンタリー映画祭で上映された「War Bride 91歳の戦争花嫁」(川嶋龍太郎監督)舞台あいさつに登壇した。

同作を原案とした舞台「War Bride -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」(8月5日から東京・よみうり大手町ホール)の主演に決定しており、ゲストとして登壇した。

「War Bride 91歳の戦争花嫁」は、20歳だった1951年(昭26)に米軍の兵士と結婚し、海を渡り「戦争花嫁」と呼ばれた桂子ハーンさんを題材に、TBSでドラマ制作をする、おいの川嶋龍太郎監督が初めてドキュメンタリー制作に挑戦。撮影時に91歳だった桂子さんが、米兵と歩いているだけで娼婦と言われた、戦後たった5年で、なぜ敵国の軍人と結婚をしたのか、激動の時代を生きた人生、生きざま、家族、苦悩、日常を当時の世相とともに描いた。

戦後80年特別企画として、23年に続き再上映された上、川島監督が舞台化の企画にも携わり、奈緒に主演の打診をした。奈緒は「舞台のお話をいただいてから映画を拝見し、桂子さんの役をいただけたのかと思った。30歳になったんですけど当時、20代最後を過ごしていまして。深く考えられる題材で、責任を持って最後まで演じられたらと思った」と、オファーを受けた当時を振り返った。

奈緒は今年1月に川嶋監督と渡米し、オハイオ州在住の桂子さんと対面した。「今、94歳で、お話を聞いて思い出の場所にも連れていっていただいて。生きてきた背景、ご家族への思い…やっぱり、実際に、川嶋さんとお母さんもいらっしゃって、ご家族への思いも聞いた。会う方、会う方からお話を聞いて、この土地でどれだけ愛されているかを肌で感じ、すてきな時間でした」と振り返った。実在する桂子さんを役で演じる立場でもあり「楽しみと同時に、受け入れてもらえたらと緊張があった。『舞台化されるのよ。(主演は)奈緒さんなのよ』と町中に広げていただいた。喜んでいただいて」と喜んだ。

川嶋監督は「ドラマ制作でフィクションを作っているが、真実を伝えていく。遠いタイミングなんだけど戦争を伝えていく。ドラマと同じくらい大切なもの」と、ドキュメンタリーとして制作した意義を強調。奈緒を主人公である、おば役に起用した理由については「(おばは)とっても優しいんだけど、すごく芯がある。70何年、今でも米国と日本をつなぐ活動をしている心の強さを考えた時、やはり奈緒さんしかいないと思って…やっていただくなんて、こんな光栄な機会はないと思った」と語った。そして「ドキュメンタリーで見ていただくのも大事だけど、もっと広がるんじゃないかと」と舞台化の狙いを説明した。

奈緒は「何で自分が生きられるかを同世代、もっと希望のある世代に伝えられるように頑張っていきたいと思います」と、舞台への抱負を語った。

◆TBSドキュメンタリー映画祭 TBSテレビや系列各局の記者やディレクターが、歴史的事件、現在進行形の出来事、そして市井の人々の日常を追い続け、記録し、情熱を込めて世に送り出してきたドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」の思いが結実した場として21年にスタートし、今回で第5回を迎えた。東京、名古屋、大阪、京都、福岡、札幌の全国6都市で順次、開催。

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