声優でアーティストの前田佳織里（28）が3月19日にサードEP「I'm ready！」を発売した。このほど日刊スポーツの取材に応じ、新作の魅力や4月27日に東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで行う初のワンマンライブへ向けた意気込みを語った。
テレビアニメ「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」のエンディングテーマにもなった1月に先行配信されている「キュンアピ」など6曲を収録。キャッチーな音楽や振り付けが人気の「キュンアピ」ミュージックビデオでは、若者を中心にSNSで話題となったキャラクターのミーム画像をほうふつとさせるような振り付けなどでも注目を集めた。
前田は「この曲では振り付けの先生が私から感じたという、かわいいだけじゃない面白さがある部分を振りにも取り入れてくださりました。生配信とかで私がよくしていた動きを採用してくれたりしました」と笑顔。アニメとのタイアップ曲はこれで3年連続。作品を尊重し、ストーリーにも合わせた曲作りを心がけているという。
収録曲の「Progress」では初めてフル作詞にも挑戦したという。
「自分自身のこれまで歩んできた人生の軌跡と言いますか、抱えている悩みとかも表現したいなと思って書きました。自分自身と向き合えるので、作詞は楽しいです」
6曲の並びも「ライブを体験している気持ちになってほしい」とこだわっている。
「アップテンポな楽曲から『ショータイムは終わらない』で展開を変えて。最後の『Progress』で自分の気持ちを出して、私のことをもっと知りたいと感じてくれたらいいなと思っています」
4月のワンマンライブに向けては「遊び心を大切に『楽しかった。明日も頑張れそう』と感じていただけるようなライブにしたいと思っています」と語る。
「私の根底にはスポ根があるので、汗をかくライブにしたいなと。私のファンの方は常に一緒に走ってきてくれるので、今度のライブでもぜひ汗をかいてほしいです」と笑った。
学生時代から「表現者になりたい」と思い立ち、地元福岡県から上京して夢を追いかける。
声優やアーティストなど声を使う仕事について「声優の時は一見、かわいい感じのキャラクターでも雄たけびをあげてみたり、役を大切にする上でもその人の声色を決めつけないことを意識しています。それはアーティストとしても同じで、生まれてきた音を大切に。これは大事にしています」と力を込めた。
東京での生活は充実しているという。
「今を生きているな、青春しているなと思います。声優をしていると、自分が何歳だとしてもその人となって生きることができますし、30歳、40歳になっても学生役とかもやりたいなと思っています。キラキラした気持ちを忘れずにいきたいです」
今後は地方公演なども増やしていきたいといい、「地元の北九州にあるミクニワールドスタジアムでライブをやってみたいですね。海の見えるスタジアムなので、『最後の花火が上がる頃に』という曲があるんですけど、浴衣を着て、花火とか打ち上げながら歌ってみたいですね」と意気込んだ。
LINE CUBE SHIBUYAはアーティストとして初めて楽曲を披露した場所でもある。「自分のターニングポイントにもなった会場ですし、これからも2度目、3度目とワンマンも重ねていけたらと思っています。『I'm ready！』なので、みなさんにも心の準備をお待ちしています！」と笑顔で語った。【松尾幸之介】
◆前田佳織里（まえだ・かおり）1996年（平8）4月25日生まれ、福岡県北九州市出身。2016年に「声優アーティスト育成プログラム・セレクション」でグランプリを受賞し、2017年にアニメ「100％パスカル先生」で声優デビュー。主な出演作はゲーム・アニメ「ウマ娘プリティダービー」（ナイスネイチャ）、「ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」（桜坂しずく）、アニメ「アイカツスターズ！」（双葉アリア）、「2・5次元の誘惑」（天乃リリサ）、「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」（白浜美波）、「中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。」（日下部栞奈）など。アーティストとしては、2023年1月放送のアニメ「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」オープニング主題歌「光ったコインが示す方」でデビューした。2022年から「北九州特命大使（観光大使）」に就任。サウナと食べることが好き。好物は肉、オムライス。
