渋川清彦(50)が「中山教頭の人生テスト」(佐向大監督、6月20日公開)で7年ぶりに映画に単独主演することが20日、分かった。劇中では山梨県のとある小学校の教頭を演じる。23年のTBS系ドラマ「下剋上球児」で小学校教師、濱口竜介監督の21年の映画「偶然と想像」で大学教授を演じたが教頭役は初めて。
こわもてのワルから憎めないダメ男まで多彩な役どころを演じ“最も使いたい俳優”と言われる渋川が、50代に入り新たな役に挑む。演じた中山晴彦は、教員生活30年を迎えた教頭だ。校長の補佐、教員の取りまとめなど膨大な校務を無難にこなしつつ、4年前に妻に先立たれ、中学2年の娘を男手一つで育てる。
娘との生活のため、時間のやりくりができるよう校長昇進を目指すも、受験勉強が進まない中、生徒と教師の間でトラブルが発生した5年1組の臨時担任まで務める羽目に…。久しぶりに教壇に立ち、生徒と向き合い、熱血教師だった自分を思い起こし、気付きを積み重ねる姿を描く。エンターテインメントながら、教員の多忙な実情、教育現場の問題も織り交ぜた人間物語を、表情の微妙なさじ加減で巧みに演じた。
渋川は「先生や大人がこうしなさいって言うことは全部まちがってる」というセリフを踏まえ「強烈なセリフがあらわす佐向監督の想いというかまなざし。中山晴彦として言えたような気もしてます」と振り返った。教壇から生徒に向けたロングトークは見どころだ。「なにが本当かうそかよくわからない情報の多い現代。流されず流れてゆく。心は自由だ。多くの人に届いてほしい」と力説した。