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NHK桑子真帆アナ「テレビも頑張っています」、「クロ現」放送100年SPへ意気込み語る


NHK「クローズアップ現代」の放送100年記念スペシャルの取材会に出席した桑子真帆アナウンサー(37)が、これまでの報道経験や番組の撮影を振り返りました。番組MCを約3年務める桑子アナは、100年のテレビ史の中で起きた様々な出来事や事件に関する再取材を通じて、報道の意義や発信のあり方を考える機会となったと語ります。関東大震災をきっかけに始まったラジオ放送からテレビへの進化を振り返りながら、正確性と速報性の大切さを強調しました。また、現場取材の重要性や一方的な視点を避けることの必要性を訴えつつ、未来のメディアのあり方についても考えを示しました。同時に、「テレビも頑張っています」と伝えることが求められるとし、新旧メディアが協力していく重要性を説きました。

NHK「クローズアップ現代」の放送100年記念スペシャルの取材会に登壇した桑子真帆アナウンサー(撮影・松尾幸之介)

NHKの桑子真帆アナウンサー(37)が20日、都内の同局で行われた24日放送の「クローズアップ現代」の「放送100年SPテレビが伝えた“あの日”と未来」(午後7時半)の取材会に出席した。

同番組のMCを約3年務めており、今回は放送100年の間に起きた出来事や事件を振り返り、当事者らへの再取材などを通じて、抱えていた葛藤や思いなどの裏側に迫る。

収録を終えた桑子アナは「熱気あふれるスタジオでした。私自身も新たに学ぶことが多かったですし、各世代の方々が報道の現場で何を感じていたのか。どういったことができるのかと同じ悩みを抱えて向き合っていたこともわかりましたし、今、いろんな媒体がある中で、いろんなことを考える貴重な機会となりました」と語り、「テレビに期待できることは何だろうと考えたり、長い歴史をこれからも続けていけるように、求められるメディアでありたいなという思いで収録をしておりました」と振り返った。

番組ではアポロ月面着陸や、あさま山荘事件、地下鉄サリン事件、9・11同時多発テロなど印象的な出来事のほか、桑子アナが放送博物館を訪問する様子なども取り上げる。桑子アナは100年前に放送が始まったきっかけについても紹介。「関東大震災で世の中が大混乱になり、当時はデマ情報がたくさん広がっていたと。その時に情報を広く伝える手段としてラジオ放送が始まり、そこからテレビ放送へと移っていきました」と語り「今、原点に立ち返るではないですけど、我々は正確性を求められるメディアで、そこに今は生中継などの速報性も加わってきています。正確性という部分はずっと変わっていないですし、そうした部分に立ち返って今後もお届けできたらいいのかなと感じました」と話した。

番組での3年間ですでに350回以上の放送をこなしてきた。現地取材なども行う中で、「現場に足を運ぶたびに、実際に起きていることは簡単なことじゃないなと感じることは多いです。簡単に物事を理解しないようにだとか、深く考えなければ見失ってしまうものがあると常日頃感じていますし、それはこれからも大切にしていきたい視点かなと思います」と力を込めた。

質疑応答では自身の軸になっているものについて聞かれる場面もあった。桑子アナは「一方からの見方になっていないかというところですかね」と話した。特に災害発生時などの報道には人々が影響しやすい点などを挙げ、「取材をして映像にまとめて、ひとつの方向に向かうことになりますが、番組として完結していいのか。少し一歩引いて見てみるというか、そういうことが自分には求められているでしょうし、俯瞰(ふかん)してみることは自分も大切にしたいと思っています」。

これまでの人生での印象的な出来事には学生時代に直面した9・11同時多発テロと、入社1年目で長野放送局にいた時に起きた東日本大震災を挙げた。それぞれテレビや現場取材を通じて見たものが頭の中に刻み込まれているとし「何かを失う重みとそのあとどういう風に立ち上がっていくかはいろんな出来事にも通底していると思っています。目にしたものを大事にしながら、自分は直接経験してはいないけど、想像力を働かせてこれからもできたらなと思います」。

番組作りでは試写の段階で流血シーンなど気になる描写があった際は遠慮なく意見を伝えるようにもしているという。「映像として事実は伝えるんですけど、刺激もおさえなければいけない葛藤はあります。受け手のことも想像して意見することはありますし、必要なことかなと思っています」と話した。

ラジオ放送開始から100年。今ではメディアの数も増えてきている。桑子アナは「あんまりそれぞれのメディアで対抗することなく、それぞれができることを新旧のメディアでやっていけたらいいのかなと思います。今回の番組を通じても『テレビも頑張っています』ということを伝えつつ、より必要とされるメディアになるべく奮闘していますということを感じていただける時間になると思います」と締めた。

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