
日本で唯一のミュージカル専門誌「ミュージカル」恒例の2024年ミュージカルベスト10が最新号(3・4月号)で発表されました。ミュージカルをよく見ている評論家、ジャーナリスト18人の投票によるもので、私も参加しました。
昨年も数多くの作品が上演されましたが、初演作の1位は劇団四季のオリジナルミュージカル「ゴースト&レディ」でした。以下、(2)カム フロム アウェイ(3)この世界の片隅に(4)トッツィー(5)イザボー(6)ファンレター(7)RRR×TAKA“R”AZUKA(8)テラヤマキャバレー(9)ナビレラ(10)RENT。
ちなみに私のベスト5は(1)ゴースト&レディ(2)カム フロム アウェイ(3)イザボー(4)この世界の片隅に(5)ファンレターでした。「ゴースト」はナイチンゲールを主人公にした漫画をミュージカル化したものですが、舞台の肝である脚本、音楽、演出がどれも素晴らしく、主演の谷原志音、シアターゴースト役の萩原隆匡、敵役の岡村美南、滝川久志のキャステイングも絶妙でした。ラストシーンは息をのむ美しさだったし、世界進出も期待できる上質の舞台でした。
再演作品のベスト5は(1)レ・ミゼラブル(2)天保十二年のシェイクスピア(3)Endless SHOCK(4)イン・ザ・ハイツ(5)オペラ座の怪人でした。私は「レ・ミゼラブル」を1位に、「Endless-」を4位にしましたが、ともに2月で休館した帝国劇場で長い間上演を重ねた「帝劇の顔」ともいえる作品でした。
男優のベスト10は(1)山崎育三郎(2)海宝直人(2)堂本光一(4)成河(5)浦井健治(6)萩原隆匡(7)三浦宏規(8)山本耕史(9)市村正親(9)甲斐翔真、女優のベスト10は(1)望海風斗(2)礼真琴(3)谷原志音(4)安蘭けい(5)明日海りお(6)昆夏美(7)生田絵梨花(7)ルミーナ(9)朝夏まなと(9)愛希れいか(9)森彩香でした。私は男優1位に萩原、女優1位は望海を推しました。
萩原にはスター性を感じたし、今後に期待したいと思います。望海は「ムーラン・ルージュ!」の主演を含め、華やかな存在感で舞台をけん引していました。2位にダブルスコアの大差をつけての1位に納得です。【林尚之】