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東映は16日、東京・丸の内TOEIで、3月28日から5月8日まで特集上映「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」を開催すると発表した。本社の東映会館の再開発に伴い、7月27日に閉館し、約65年の歴史に幕を下ろす最後の直営館である同劇場で、今年が昭和100年にあたることを受けて、昭和の時代を彩った名作・ヒット作42本を一挙上映する。しかも、東映のみならず松竹、東宝、KADOKAWA、日活をはじめとした配給会社、製作プロダクション、出版社に協力を得て、配給会社の垣根を越え、当時記録的なヒットを飾った、もしくは輝かしい映画賞を受賞したなど「昭和」を代表する作品を一挙に上映する。
そのラインアップは、極めて豪華だ。1935年(昭10)の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」は、38年に、日中戦争で出征した中国で28歳の若さで戦病死した山中貞雄監督の作品。同じくラインアップに組み込まれた37年「人情紙風船」は遺作で、同監督の映画で、ほぼ完全な形で現存しているのは36年の「河内山宗俊」含め3本しかない。うち2本を「昭和100年映画祭」では見ることができる。
また、24年に没後10年を迎えた、高倉健さんの代表作の数々も上映する。中でも75年の「新幹線大爆破」は、高倉さんの12年の遺作「あなたへ」で共演を果たした草なぎ剛(50)が主演し、再構築してリブートし、4月23日からNetflixで配信されることも話題を呼んでおり、注目だ。
さらに、24年に生誕90年を迎えた石原裕次郎さんが三船敏郎さんと共同製作し、初共演&ダブル主演した68年の映画「黒部の太陽」も上映。また、自身124本目となる最新作「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督)の公開を今秋に控える、吉永小百合(79)の代表作の1本である62年「キューポラのある街」も上映。丸の内TOEIで、往年の日活スターの輝きも楽しめる。
東映は「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」に続き、丸の内TOEI閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の開催も予定している。