小説家で医師の知念実希人氏(46)が24日、自身のX(旧ツイッター)を更新。東京美容外科の統括院長を務める麻生泰氏が同院の女性外科医・黒田あいみ氏への処遇を説明した謝罪文に対し、疑問を呈した。
黒田氏はグアムでの解剖研修の写真を公開し「いざ Fresh cadaver(新鮮なご遺体)解剖しに行きます!」「頭部がたくさんあるよ」などとSNSに投稿。献体された死体の一部にはモザイクがかかっていなかった。ネット上の騒動を受け、女性外科医は当該投稿を23日までに削除し、自身のブログに謝罪文を掲載した。
麻生氏はこの日、黒田氏の処遇についてXで言及。「動機は善で、彼女に他意はありません」とした上で、解雇することはできないと明言していた。
知念氏は「未だに何が問題だったのかを全く理解できていないで、あたかも自分たちが理不尽な批判を受けている被害者のように本気で思っていることが本当に恐ろしい……」と書き出し、麻生氏の謝罪文についてそれぞれ自身の見解を示した。
麻生氏が記した「死者への尊厳も大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか?」に対し「死者への尊厳と、生きている方への命や安全はトレードオフするものではありません。患者さんに還元するから、亡くなった方への尊厳を毀損していいわけがありません」と指摘した。
「海外のセミナーでは割とフランクに記念写真もしますし、セミナーの様子もネット上に出ています」の一文には「あげている記念写真は解剖室で撮っているというだけで、遺体がある状態で撮ったものではありません。また、他の写真は真剣に参加者が解剖している様子をオフィシャルに撮影したものです。ご遺体を個人のSNSに上げ、インスタ映えの道具に使ったり、ご遺体を前にピースサインをして集合写真を撮るなどの、言語道断の行為とは根本的に異なります」とつづった。
さらに「日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います」には「どう考えても、医療倫理に反するあまりにも非常識な行動をとった貴方がたです。なぜ、自分たちが非難されているか分からないなら、医療をする資格がありません」と締めくくった。
知念氏は東京慈恵会医科大学卒の医師。小説家としては「優しい死神の飼い方」「仮面病棟」「祈りのカルテ」「となりのナースエイド」や累計250万部を超える「天久鷹央(あめく・たかお)」シリーズなどが知られている。