小説家で医師の知念実希人氏(46)が18日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。12月9日に膀胱(ぼうこう)がんにより77歳で死去したキャスター小倉智昭さんについて言及した。
小倉さんは2016年(平28)5月、初期の膀胱がんを公表。発症当初、膀胱を温存しながら完治を目指し、免疫療法などの民間療法を行ったが、18年に膀胱を全摘出手術。22年10月、肺への転移が判明し、抗がん剤治療の影響で、腎臓に副作用が発現。昨年12月1日に左腎臓の全摘手術を行っていた。
知念氏は小倉さんが「医者が勧める標準治療を受けていたら」と後悔していたことを伝える記事を引用し「これは切ない……」と書き出した。
「標準医療とは単語のニュアンスで『最新医療には劣る普通の医療』と誤解されることも多いですが、実際は『現在、エビデンスが確立している最善の治療法』です」とした。
そして「民間療法の方が大金がかかるので効果が高いと思われがちですが、民間療法で標準療法を上回るデータがあるものは皆無です」と、自身の感触としては疑問視する思いも。
続けて「(特に有名人が)がんと診断されると、怪しい民間療法の関係者が近づいて、高額な治療を勧めてきますが、どうか騙されないでください」と注意喚起した。
さらに「そのような業者は、病状が悪化したら『うちでは診られない』と一般の病院に患者さんを丸投げしてきます。騙されて、大金を奪われたうえ、がんが悪化して根治不能になってから、紹介されてきた患者さんを何度もみています」と告白。
最後に「『標準治療は、最善の治療法』ということをどうか覚えておいてください」と締めくくった。
知念氏は東京慈恵会医科大学卒の医師。小説家としては「優しい死神の飼い方」「仮面病棟」「祈りのカルテ」「となりのナースエイド」や累計250万部を超える「天久鷹央(あめく・たかお)」シリーズなどが知られている。