7人組女性アイドルグループ、FRUITSZIPPERが16日、東京・有明ガーデンシアターで初の全国ホールツアー「THE STORY OF SEVEN COLORS」のファイナル公演を行った。
9月から12都市をめぐって計4万人を動員したツアーの締めくくり。アンコールでは来年6月に初めてさいたまスーパーアリーナ(SSA)で行う結成3周年記念公演について、同5月10日、11日に追加で神戸ワールド記念ホールでも行うと発表し、約8000人の観客を沸かせた。
最後のMCでメンバーから発表し、鎮西寿々歌(26)は「追加公演が決定しました!私たちにとって本当に大きなライブで、今まで東京で行ってきていたんですけど、こうして今回初めて関西でもできるということで、7人でみんなで一緒にお祝いできることを楽しみにしています。みなさんも楽しみにしていてください」と呼びかけた。
この日の公演では冒頭で7人がプリンセスをイメージしたエレガントなドレス衣装で登場。仲川瑠夏(27)が「全公演の中で一番盛り上がっていけますか!」とあおると、客席からは大きな歓声が巻き起こった。ユニット曲など含め全21曲を披露。松本かれん(22)は両親が見に来ていることも明かし「(『わたしの一番かわいいところ』で)すーぱーかれんたいむが見せられてよかったです。何かおいしいもの作ってもらおうと思います!」と笑顔をみせた。
ツアー中はメンバーが卵かけごはんにハマっていたことも明かした。櫻井優衣(24)は納豆も入れていたといい「好きすぎて(ケータリングの)冷蔵庫の中に山わさび納豆とか、いろんな種類が入ってました」と笑顔。広島ではカキしょうゆなど、卵かけご飯用に各地の特産しょうゆが用意されるようになったというが、早瀬ノエル(20)は「私は納豆ご飯しか食べてない」と告白。メンバーから「(担当カラーが)黄色なのに」と突っ込まれて笑いも起こった。
グループは22年4月に活動を始め、昨年はTikTokで流行した「わたしの一番かわいいところ」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。今年も勢いは続き、5月に日本武道館での結成2周年記念2Daysライブを成功させ、レコード大賞では今年も「NEW KAWAII」が優秀作品賞を受賞した。
一方で、目標のひとつであったNHK紅白歌合戦出場はかなわなかった。発表のあった11月19日にはちょうど都内で公演を行っており、真中まな(25)はMCで「今年目標に掲げていた紅白歌合戦の出場が本日かないませんでした」と涙ながらに報告。ファンの激励メッセージなどへの感謝を語り「本当に悔しかったんですけど、FRUITSZIPPER、そして日本のアイドルは自信を持って世界に羽ばたける存在だと本気で思っています。力を合わせてもっと世界に羽ばたいていけるように頑張っていきます。これからも応援よろしくお願いします!」と宣言。他のメンバーもSNSでそれぞれ心境を明かしていた。
この日のMCでもツアー中に起こったことを振り返る中で、あらためて紅白への思いを語った。真中は「目標を達成するためにFRUITSZIPPERとしてライブしているわけではないんですけど、どうしても達成したい目標を公言した時に、それが達成できませんでしたと伝えることが苦しかった時期もありました」と振り返った。
今月初めにはSNSでの炎上騒動などもあり、所属事務所が誹謗(ひぼう)中傷などへの注意喚起の声明文を公表したこともあった。真中は「ここまで楽しいことばかりではなく、あることないことを言われたり、仕方のないことだとわかっていても心が折れそうになることがたくさんありました」と語り「でも不安な時もステージに立つ度にみなさんが応援してくれて、何かある度にパワーを送ってくれて、すごく幸せだなと実感しました。みなさんを幸せにできるのなら、これから先もずっと味方でいるよと言ってくれている以上、この先も歌って踊り続けたいなと思いました」と心境を明かした。
グループは紅白出場はもちろん、今後は米国最大規模の音楽フェス「コーチェラ」出場なども目指している。デビュー以降、東京体育館、日本武道館、そしてさいたまスーパーアリーナと着実にステージ規模を上げてきており、ヒット曲と共に着実にファン層を拡大してきたことは間違いない。
真中は最後に「これからもどんどん大きくなって、みなさんの想像を超えていきたいなと思っています。一緒に支え合って大きくなれたらいいなと本気で思っているので、いつまでも信じてついてきてくれたらうれしいです。ありがとうございました」と締め、客席からは大きな拍手が送られた。目の前の目標を見つめながら、これからも7人の物語は続いていく。