大阪地検検事を務めた亀井正貴弁護士が12日、日本テレビ系「ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に出演。「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社経営者野崎幸助さん(当時77)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の判決で、和歌山地裁が無罪判決を言い渡したことについて言及した。
今回、検察側は無期懲役を求刑し、弁護側は無罪を主張していた。無罪判決のニュースを、同番組では速報で報じた。
今回の判決では、被告が「覚醒剤を摂取させたと推認できない」とされ、覚醒剤を被告に渡したとする売人A、B2人の証言の食い違いから、被告が売人2人と会ったことすら疑わしい、と結論づけたことも伝えた。亀井氏は「そこまでの事実認定をすることは予想していなかった。覚醒剤のやりとりについての実態はあるところまでは認定すると思っていたが、被告は覚醒剤入手の話をしていて、A、Bも話をしているにもかかわらず、取引自体そのものを飛ばしてしまうことは予想外」とした。
その上で「この事案は覚醒剤の関係がなければ起訴できない事案。それ以外の状況証拠はいっぱいあるが、凶器である覚醒剤の入手に(須藤被告が)関わっているところまでを立証しなければならない。その前提の覚醒剤取引さえ飛ばしてしまっていますから、当然無罪になりますね」と解説した。