衆院議員や東京地検特捜部副部長を務めた弁護士の若狭勝氏が25日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に生出演。兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏(47)に対し、公職選挙法違反の疑いが指摘されている件について解説した。
この件をめぐっては、斎藤氏の知事選選挙活動を巡り、SNS上では賛否の広報戦略を担当したとする兵庫県内のPR会社の経営者が、SNSを使った戦略を提案し「広報全般を任された」などとする記事を22日までにインターネットに公開した。SNSでは「有償で請け負っていれば公選法に違反するのではないか」という声が広がるなどしているが、斎藤氏は同日、報道陣の取材に「法に抵触することはしていない」と述べている。公職選挙法は、選挙活動で報酬を支払える対象を、事務員や車上運動員、手話通訳者などに限定している。
若狭氏は「実態は、積極的に関わってアドバイスなどをするのが選挙プランナーの実態だと思います」とした上で「守秘義務があるのであまり表に出てこないが、今回は少なくとも選挙違反になるというのがわからないまま、全部実態をさらけ出してしまったPR会社の女性社長という話だと思う」と推察した。
若狭氏は「今回の話において大前提が二つある」とし、「公職選挙法という法律は選挙運動に対して報酬を払うことは禁止されている。払うと買収になる」、次に「選挙運動というのはある候補者を当選させるために直接、間接的に必要かつ有益なことをすること」とした。
その上で「大前提を踏まえると、果たしてPR会社の社長がやったことは選挙運動と言えるのかどうかという話になる。(紹介した広報戦略は)おそらく斎藤さんを当選させるためにPR会社がやったことなので選挙運動でしょう、彼女の文章を読んでも選挙運動のほか何物でもない、というところまでたどり着く」と説明した。
続けて「選挙運動に対して報酬を払ったら犯罪となるのが公職選挙法の立て付けですから、その意味において今回、選挙運動でしょ、それに対してお金を払った。だから買収、犯罪というのが一つの流れ」とした。