アイドルグループ「アンジュルム」を16年に卒業し、現在は歌手、女優として活動する田村芽実(26)が10日、東京・千代田区のイイノホールで「かえってきたアイドルめいめい~一夜限りのスペシャルコンサート~」を開催。昼夜2部2回公演で約1000人のファンを前に、8年ぶりに1日限定でアイドルに舞い戻った。
「めいめい!」コールが鳴りやまない。本編13曲、アンコール3曲の計16曲を歌い終わっても、会場の熱は下がるどころかヒートアップ。田村は3度ステージに登場し「筋肉痛になってると思う」と笑顔で語り、ファンに手を振って舞台袖に消えた。
アイドル時代のファンと8年ぶりに再会した。ステージを左右大きく使ったパフォーマンスの合間には「アイドルめいめい」のショート動画を公開し、ファンを沸かせた。現在出演中のNHK朝の連続テレビ小説「おむすび」に出演中。劇中の「リサポン」役を意識した「ギャルコスプレ」も映像内で披露した。
2公演を終えた田村は「めちゃくちゃ疲れました。アイドルの時、確かにこれくらい疲れてたなと思って思い出しました。体が思い出しました」と笑顔で振り返った。大声援を送られたファンとの再会については「アイドル時代のファンの人たちとは他の現場でも会うことはたくさんあるんですけど、ただこの盛り上がりと再会するということがなかった。久しぶりにこの感覚反応を感じることができました」と語った上で「やっぱり実家に帰ってきた感覚。親戚と本当に会った感覚があって、最高でした」と実感たっぷりに言葉をつむいだ。
公演内では来年、再来年の開催もにおわせた。「来年もやりたい気持ちもありつつ、さらに新たな表現を追求していきたい自分もいます」と切り出した。続けて「毎年毎年これまでとは違った自分をお見せできたらいいなと思うので、それがアイドルコンサートであればまたやりたいし、そうじゃない形であったとしても、ファンの皆さんに喜んでいただけるような表現を届けられたらなと思っています」と慎重に語った。
元アイドルという肩書に思うことがあった。「やっぱり田村芽実は元ハロプロだからとか、元アンジュルムだからねって言われることがとても多くて。私の中では結構遠い過去の記憶なんですよね。もう9年前ですから」と前置きした。そして「ただそうやって言ってくれてる人がたくさんいるってことは、もしかしたらそういう自分を求めてくれている人がいるのかなってずっと思ってはいたんですけど、その気持ちにやっと答えられるようになったのが今日っていうことです」と続けた。
さらに「朝ドラ『おむすび』に出られたっていうこともありますし、そういうこととかも含めて自分が1個ステップアップをして当時のアイドルグループに頼らなくてもいい、自分になれた部分があると思うので、そういったところでこのコンサートをできるようになったのかなと思います」と力を込めた。
ファンに支えられ続けてきた。「もうみんなのことが大好きですね。ライブをやるとその気持ちがあふれるんですけど、本当にみんなのことが大好きで。血のつながりを超えるくらいの絆を感じているので、今後とも一緒に夢を見ていけたらいいなと思います」と目を輝かせた。【高橋洋平】
◆田村芽実(たむら・めいみ)1998年(平10)10月30日生まれ、群馬伊勢崎市出身。2011年、スマイレージ(現アンジュルム)の中心メンバーとしてデビュー。16年に卒業後、ミュージカル女優に。17年には舞台「minako-太陽になった歌姫-」で主演の本田美奈子.役を演じた。その後、「ウエスト・サイド・ストーリーSeason2」マリア役、「ヘアスプレー」アンバー役、「MEAN GIRLS」ジャニス役など主要な役を演じる。来年1月31日開幕のミュージカル「SIX」にアン・ブーリン役、同4月27日開幕のミュージカル「キンキーブーツ」ローレン役で出演。