松重豊(61)が、主演のテレビ東京系ドラマを監督・脚本も務めて映画化する「劇映画 孤独のグルメ」(25年1月10日公開)の主題歌を、ロックバンド「ザ・クロマニヨンズ」が担当することが30日、分かった。
学生だった約40年前に東京・下北沢の中華料理店「珉亭(みんてい)」で同日にバイトを始めたボーカルの甲本ヒロト(61)に熱烈オファー。甲本も応え「空腹と俺」を書き下ろした。
<歌詞>腹へった 腹へった 腹へった
<歌詞>空腹と俺 どこへ行こう 空腹と俺 どこまででも
冒頭からシンプルかつストレートな歌詞を、力強く投げかける甲本の歌声が響き渡る。営業先でうまい店を探求する井之頭五郎の魂の叫びそのものの1曲となった。松重は「監督を務めると決めた時、主題歌はやっぱりどうしてもヒロトが書いてくれたらうれしいっていうラブレターを書いてオファーをしました」と、22年に監督兼任を決めた段階で打診したと明かした。
脳裏には甘酸っぱい記憶がある。松重は映画監督、甲本はバンドマンを目指して上京。意気投合し、松重は「自分で映画を撮っていた時にヒロトに出てもらっていて」と、甲本主演で自主映画製作に乗り出したが「いろいろな事情で」頓挫。「監督にはなれないと夢を封印した」という。
一方、甲本は「豊とは友達だったけれど『孤独のグルメ』の大ファンで『あのドラマはいいぞ!』って周りに話したりしていて。俺が言ったから人気が出たんだと思うよ!」と活躍を見ていた。「豊の作品に、いっちょ、かめたっていう喜びはありました。初めて会った時、東京に何しに来たんだと聞いたら『映画を撮りたい』って言っていました。そして俺は『バンドをしに来た』って言ってたんです。だから夢はずっとかなっている」と力を込めた。松重は「曲が本当に素晴らしい」と感謝した。
◆「劇映画 孤独のグルメ」 井之頭五郎(松重)は、かつての恋人小雪の娘・松尾千秋(杏)から祖父一郎(塩見三省)の依頼を引き受けてほしいとパリに呼ばれる。「子供の頃に飲んだスープがもう一度飲みたい。食材を集めてほしい」と頼まれフランス、韓国、長崎、東京と、究極のスープを求めて食材探しの旅にこぎだす。ただ、行く先々で、さまざまな人や事件に遭遇し、次第に大きな何かに巻き込まれていく。