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真琴つばさ、歌は“戦友”宝塚男役元トップスター 女優など多彩な活躍 来月還暦迎える今の心境


スッとした立ち姿、変わらぬ美貌とスタイル、すべてが完璧だった。ミュージカル「神が僕を創る時」で主演を務める真琴つばさ(撮影・たえ見朱実)

女優真琴つばさ(59)が、ミュージカル「神が僕を創る時」(18~27日、東京・こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ)に主演する。来月24、25日には東京・丸の内のCOTTON CLUBで、真琴つばさ「Thank You Concert 60th Birthday Party」を開く。宝塚の男役トップスターとして活躍して、2001年(平13)に退団。その後も歌手、女優、バラエティーで活躍してきた。還暦、60歳の誕生日を前にした、その思いを聞いてみた。【小谷野俊哉】

★男性と女性の間の声

「神が僕を-」は昨年、韓国で初上演された。若い女性が演じた主役の神様を、今回は真琴とSUPERNOVA(旧・超新星)のグァンス(37)がダブルキャストで演じる。

「神様役をやるのは初めて。神様役っていうのは年齢、性別は問わないということで、グァンスさんと私に。ミュージカルでダブルキャストというのは大体、キーが一緒の人が演じる。だけど今回は、年齢も性別も全く違う人が同じ役を演じることで、キーも違うし表現も違う。普通のダブルキャストより面白いものができると思う。私の声っていうのは男性と女性の間にあり、特殊なのでミュージカルはなかなか難しいです。でも今回は自分に合わせていただいた中で久しぶりにのびのびさせていただいています」

★精神は30代くらいで

物語では、神が人間を創造する時にデジタル素材を使って作り上げる。その素材を間違えたことで、人生のやり直しができるかどうかがテーマ。

「神様は素材を使って人間を創るけれども、そこからは自分次第だよっていう話だと思います。とても考えさせられます。ネット社会でデジタル素材によって創られた人間は、死んだら“削除”されて“ごみ箱”に捨てられる。こんな世界で私が演じる神様は、公務員みたいな神様。宝塚の神様みたいに燦然(さんぜん)と輝いてるんじゃなく、創造の神といっても製造工場で働いているみたいな感じ。他にも判決の神様とか、破壊の神さまとかたくさんいるみたいです」

来月25日には60歳。前日と2日間にわたってバースデーライブを開く。

「60歳。“赤い誕生日”を迎えます。なってみると、こんなにも精神が成長していなかったんだっていう焦りはありました。でも、皆さんが、『そんなもんよ』と。私は30代ぐらいで止まってますね」

★演じることも「闘い」

1985年(昭60)に宝塚に入団。男役、トップスターとして活躍して01年(平13)に退団。宝塚在籍中から、常に歌とともにあった。

「私にとって歌というのは、宝塚時代から“ライバル”であり“親友”であった。それはずっと続いています。思う通りに行かないで悩むのは、いつも歌。それなのにずっと今まで来てるのが不思議であり、なんかこう生涯の“戦友”なのかなという感じです」

そして女優。

「演じることも、闘いかな。でも、闘っちゃいけない、共存していくんだと思う。私は、全てのことについて受け入れることが、不器用なんだと思う。演じることでもすごく悩むことがあるんですけど、うまくハマった時、やっぱりお芝居って面白いなと思います」

小学5年生、11歳の時に宝塚の「ベルサイユのばら」を見た。

「憧れたのはアンドレ役の麻実れいさん。やっぱり『ベルサイユのばら』っていうのは特別。それで、もう宝塚に入るんだって決めました」

83年、宝塚音楽学校入学。85年に宝塚に入団して、花組に配属されて男役。自ら「暗黒期」と言う時代をすごした。

「最初は役がつかなかった、後輩に追い抜かれて役がつかない。面接の後に『君を見てるけど、やる気が見えない』。宝塚って夢を見る世界だから、王子様系の顔の方が若手の頃はいいわけです。私は最終的に“哀愁の男役”と言われるようになるんです、愛想がない顔なんです。やる気がないように見えるのは、実はクールで、かっこ良いと」

★スカーレットが転機

93年に月組に組替えになって、翌94年に転機となる作品に出合った。

「『風と共に去りぬ』の主人公のスカーレット・オハラをさせていただいたんです。私は男役なので初の女役。なんかとても伸び伸びできたのと『シャープだった真琴さんに柔らかさが加わった』と言われました」

97年に月組トップスターに就任。01年に辞めた時は36歳になっていた。

「皆さんが私の後ろに“羽”があるんだという風に見ていた。『トップスター=カッコつける』みたいな感じ。羽を背負ってない自分を見てほしいとずーっと思っていました。何もない真琴つばさとしてやって行きたいと思った時代から、最近やっと宝塚にいた真琴つばさと共存できる時代に入ってきた気がします」

60歳の誕生日まで、あと50日。その先も歩みを続けて行く。

「『100歳で100人の人と一緒に舞台に立つ』っていう夢が1つ。いろいろ考えて『あと20年が自分がしたいことができるマックスなのかな』とか、自分の未来のゴールっていうのが、そんなに遠くないんだとか感じているんですが、まぁ100歳になって声が出にくくなっていても、100人集まったらできるだろうと思っています(笑い)」

女性が男性を演じる宝塚から40年。

「いろいろなことがしばられないで自由にできる時代になってきたと感じてもいます。私はすごい不器用な人間で、いろいろなことで悩むけど、人の心を動かす人間でいたいなぁと思っているんです」

男でも女でも、若くても年寄りでも、神様でも人間でも、真琴つばさは人の心を動かし続ける。そこを目指している。

▼「神が僕を創る時」演出の磯貝龍乎氏(37)

真琴様と初対面の日、その美しい立ち姿を見た私はルーブル美術館にいるような錯覚に陥りました。磨き上げられた美と凜(りん)としたお姿、立ち振る舞い、今もなお輝きを放っていました。稽古が始まるとチャーミングな笑いで場を和ませ、稽古が終わっても残り予習をする姿を見て、自分も勇気づけられる毎日です。本作はグァンス様とのダブル主演ですが、グァンス様もとても素晴らしく、コミカルに演じてくださっています。同じ作品ですが、チームごとに異なったテイストで、とてもすてきな作品になっております。

◆真琴(まこと)つばさ

1964年(昭39)11月25日、東京都生まれ。83年宝塚音楽学校入学。85年宝塚入団、花組配属。93年(平5)、月組異動。97年、月組トップスター就任。01年退団。12年、フジテレビ系連続ドラマ「七人の敵がいる!~ママたちのPTA奮闘記~」主演、23年舞台「歌うシャイロック」。24年『越路吹雪生誕100年トリビュートディナーショー」「岩谷時子メモリアルコンサート」。168センチ。血液型A。

◆ミュージカル「神が僕を創る時」

天上界の神様が人間を創造する時、デジタルを使って材料を配合。その配合を間違えられて創造された人生は“払い戻し”されるかを描く。主役の神様は2チーム制で真琴つばさとSUPERNOVAのグァンス(37)が演じる。

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