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81歳堺すすむ&78歳マギー司郎が渋谷さくらホール「ネットは通りすがり」/連載 <3>


「歌って元気!笑って健康!秋の演芸フェスティバルVOL.1」に出演する堺すすむ(左)とマギー司郎

ギター漫談の堺すすむ(81)とマジックのマギー司郎(78)が、9月17日に東京・渋谷さくらホールで開かれる「歌って元気!笑って健康!秋の演芸フェスティバルVOL.1」(午後3時開幕)に出演する。ともに半世紀以上の芸歴を誇り、今なおステージにあがり続けるレジェンド2人に、このほど話を聞いた。【小谷野俊哉】

   ◇   ◇   ◇

堺がものまねに対する歌手の意識改革を進めている間、マギーは茨城なまりでお茶の間の人気者になっていた。

マギー そうなんですよね。茨城で生まれた、茨城弁っていうんですかね、それがなかったら成立してないんでしょうね。それは助かってます。今は自分ではなまりは取れたと思ってるんですけど、取れてないんですよね。自分では都会の人だと思ってるんですけど(笑い)。どこかやっぱり根本は抜けないんでしょうね。『い』と『え』が、怪しかったですから。相手が聞き取れないんだけど、それでもなんとか通用する。決して面白いこと言ってるつもりはないんですけど、そこに隙があるんですかね、茨城弁のね。隙がある人間って、なんかいいじゃないですか。

マジックの技術とは別に、茨城弁のしゃべりで笑いを取る芸風が確立した。

マギー 別に、きっかけはないんです。僕、ずっとストリップ劇場で、1日に4回やるんですよ。土曜日は6回。そうすると時間が持たないので、しゃべりを入れるほかないんですよ。だから、言い訳みたいなのをたくさん作ったんですよね。例えば白いハンカチが一瞬にして赤になるって、誰でもできるじゃないですか。でも赤にしちゃったらもうそれで終わりなので、いろいろお客さんに問いかけたんです。「白いハンカチがあります。これ、お客さんの好きな色に変えます。何がいいですか」って。「青」って言われたら「青、休みなんです」とか「午前中で終わっちゃったんです」とか。そういうなんか工夫ですか、言い訳ばっかりでしたね。

堺 その話術だね、笑いはマギーちゃんのしゃべり方。イントネーションとか、優しさが出てくるような感じ。

演芸の世界も少しずつ、変わってきた。メディアがテレビしかない時代があり、ネット、YouTubeで芸を配信する芸人も出てきた。過去の芸人の姿もDVD、配信で見ることができるようになった。

堺 どこの時代がやりやすかったとかいうのは、変わりはないです。舞台は変わらない。ネットとか無料だと、真剣には見てないんです。通りすがりみたいなもんですよね。なんかチラッと見たみたいな。演芸番組を担当してるディレクター、プロデューサーたちも、昔は自分で芸人を探しに行ったんです。劇場まで見に行って、こいつ面白いなと思ったら、育てて一人前にして自分の番組に出してレギュラーにして売り出す。そこまで、やったもんです。

今は芸人を、局にまで呼び付ける。

堺 どんなことをやるのか、見せに来てくれって。だから、それまで何をやるか分からない人を呼んで、そこで見てどうのこうのって言うんです。僕はそれが大反対で、そんなとこでやる芸は芸でもなんでもないんです。今の制作会社の若い人たちは、大ベテランの師匠、落語の師匠たちに「ちょっと時間を計りますからやってください」って。時間を計りますじゃなく「ネタを見たいのでやってください」なら分かるんだけどね。

ネットの時代以前も、芸をテレビに合わせることがあった。いろいろな芸を持った芸人が「テレビサイズでやってくれ」と言われた。

堺 歌の世界でも、歌謡曲は昔は「3分間のドラマ」って言ったもんです。だけど今は、ツーコーラスでおしまいでしょ。2番まででおしまいって、作詞家をバカにしてますよね。ストーリーが、真ん中ゴソッと抜けているドラマなんてないですよ。だから、今の若い芸人はね、かわいそうなところがある。見本になる芸人が、だんだんといなくなってくる。僕らは、すごいベテランの芸人さんたちを見て、ああすればいいんだ、こうすればいいんだって覚えていった。そういう時があったんですよ。その時期がね、幸せだったんだから、僕らは。(続く)

◆堺(さかい)すすむ 1942年(昭17)11月23日、大阪生まれ。60年腹話術の川上のぼる門下に。ものまねギター漫談を確立。67年上京。76年放送演劇大賞声帯模写部門賞。80年代後半に「な~んでかフラメンコ」がブレーク。血液型A。

◆マギー司郎(しろう)1946年(昭21)3月17日、茨城県下館町(現筑西市)生まれ。63年上京。66年初舞台。68年マギー信沢入門。80年日本テレビ「お笑いスター誕生」7週勝ち抜き。81、82年放送演芸大賞ホープ賞。08年(平20)浅草芸能大賞。血液型A。

▼「歌って元気!笑って健康!秋の演芸フェスティバルVOL.1」 渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで、9月17日午後3時開演。出演は堺すすむ、マギー司郎、おぼん・こぼん、桂宮治、紺野ぶるま、磁石、竹川美子、走裕介、や団、近江綾、河口こうへい、錦笑亭満堂、ゴンゾー、、フランピアノ、ツーライス、ガンリキ。

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