starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

永瀬正敏「来週…やっとですね」27年前の頓挫からようやく公開「箱男」に感慨、全国行脚も意欲


映画「箱男」公開記念「ELECTRIC DRAGON 80000V」上映イベントで笑みを浮かべる永瀬正敏(撮影・村上幸将)

永瀬正敏(58)が18日、主演映画「箱男」(23日公開)公開を記念して東京・ユーロスペースで行われた、01年7月公開の映画「ELECTRIC DRAGON 80000V」1日限りの上映会に登壇。両作を手がけた石井岳龍監督(67)と撮影、上映当時の思い出を語り合い、1週間後に公開が迫った「箱男」への熱い思いを訴えた。

2人は、1993年(平5)に亡くなった芥川賞作家・安部公房さんが73年に発表した代表作「箱男」の映画化に着手。97年に佐藤浩市(63)ら出演俳優、製作陣とドイツに渡り、ハンブルクで大セットを組んだが、クランクイン前日に日本で製作資金の問題が生じ、撮影が頓挫。幻の企画となっていたが、23年夏に執念で撮影にこぎ着け、公開が目前に迫った。

「ELECTRIC DRAGON 80000V」は、当時は石井聡亙(いしい・そうご)名義で活動していた監督が「箱男」の製作が頓挫した後の99年に撮影。その後、00年10月公開の映画「五条霊戦記 GOJOE」の製作が舞い込み同作の撮影、公開後、01年7月に公開された、上映時間55分間の短編アクション映画。永瀬は「箱男」にも出演した浅野忠信(50)とダブル主演し、劇中では謎の電気修理人・雷電仏蔵を演じた。永瀬は登壇早々、爆音の上映を鑑賞直後の観客に「雷電です。ありがとうございます。大丈夫ですか? 脳みそ」と笑顔で呼びかけた。

石井監督は「記念すべき永瀬VS浅野対決。また劇場で見ていただけるのが、何よりうれしい」と喜んだ。そして、撮影当時を振り返り「私は緊張していましたね。『箱男』が悲しい結果に終わりましたので、この映画と『五条』は、ほぼ『箱男』の流れでやりましたので、良い映画にしたいなと」と振り返った。作品については「特殊な映画で、私は好きで…愛すべき映画です。おふたりが主役で、とにかく戦うだけの、いさぎのよい映画です。おふたりの姿をスクリーンに残せて、幸せです。おふたりの闘いの映画を撮りたいという思いでした」と笑みを浮かべた。

永瀬は、浅野との共演について聞かれ「毎回、楽しみ」と満面の笑みを浮かべた。その上で「台本で読んだのと、彼は違う角度からやってくる。リアクションが変わってくるのと、こちらのアクションが変わってくる」と、浅野の作り上げてくる役、芝居が予測を超えたものだと説明。「普段、仲良いんですよ。殺陣は呼吸が合わないと危ないので…彼には、絶対の信頼がある」と浅野との関係性を明かした。

「箱男」は、23年5月のカンヌ映画祭で再始動が発表され、同6月に撮影が行われた。石井監督は「ELECTRIC DRAGON 80000V」についても「続編を絶対、作るつもりでした。『箱男』も、ものすごく時間がかかりましたけれど、ヒットすれば、あわよくば…」と「箱男」の興行成績次第で、続編を製作したいと熱望。「プロット(あらすじ)は、ずいぶん前にできている。お金がかかる映画なんで…段ボールというわけにはいかない。半分、仏像だった永瀬さんが全身になっているところから始まるんですけど、だんだん人間に戻る」と、永瀬演じる雷電の、その後を描く物語だと明かした。

永瀬は、舞台あいさつの最後に「やはり『箱男』ですね。来週…やっとですね」と「箱男」の公開が迫った喜びをかみしめた。そして「あまり、言ってはいけないのかも知れないですけど…『箱男』の3年くらい前に、ご一緒できそうな企画があった」と「箱男」以前に石井監督とタッグを組む、別企画があったことを示唆。「(最初の頓挫から)27年と言いますけど…30年以上の思いがこもった『箱男』ですので何回も見ていただければと思いますね。何度も、いろいろなところで舞台あいさつをやりたい。(段ボールは)手荷物で大丈夫ですか?」と、段ボールを携えての、全国舞台あいさつ行脚に強い意欲を見せた。【村上幸将】

◆「箱男」段ボールを頭からすっぽりとかぶり、都市を徘徊(はいかい)し、のぞき窓から一方的に世界をのぞき、ひたすら妄想をノートに記述する「箱男」は、全てから完全に解き放たれた存在であり、人間が望む最終形態だった。そんな「箱男」を偶然、街で目にしたカメラマン“わたし”(永瀬正敏)が、その一歩を踏み出すが、本物の「箱男」になる道は険しく“わたし”をつけ狙い「箱男」の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)、全てを操り「箱男」を完全犯罪に利用しようとたくらむ軍医(佐藤浩市))“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)ら、数々の試練と危険が襲いかかる。果たして“わたし”は本物の「箱男」になれるのか?

◆「ELECTRIC DRAGON 80000V」 石井監督が、前年の00年10月公開の映画「五条霊戦記 GOJOE」に主演した浅野と永瀬を主演、そしてプロレスラー船木誠勝(55)をナレーションとして起用したSFバトル映画。浅野が、少年時代落雷に遭い8万ボルトの電流を浴びて爬虫(はちゅう)類の心が読めるようになった爬虫(はちゅう)類専門のペット探偵・竜眼寺盛尊を演じた。竜眼寺は、永瀬演じる顔の半分を仏像仮面で覆い、怪電波をキャッチする謎の電気修理人・雷電仏蔵にギターを破壊され、ペットを殺される。そんな2人の8万ボルトの“感電バトル”を、モノクロ&大爆音で描いた。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.