宝塚歌劇団の雪組トップ彩風咲奈が11日、本拠地に別れを告げる。7月6日に兵庫・宝塚大劇場で開幕したサヨナラ公演「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』－フェルゼン編－」は、同日に宝塚公演の千秋楽を迎える。
74年の初演以来、「ベルばら」50周年イヤー。10年ぶり上演の名作で、彩風は宝塚最後の役としてスウェーデン貴族フェルゼンにふんして、集大成への道を歩んできた。
110周年の劇団史でも、「ベルばら」は累計観客動員500万人を超える代表作のひとつ。同作にあこがれて入団を志した彩風は、フランス王妃マリー・アントワネットとの許されざる恋に落ちる貴族を熱演。入団からここまで17年4カ月あまり、培ってきた男役芸を詰め込んでいる。
植田紳爾氏の脚本・演出に、今回は演出に谷正純氏が加わり、初代オスカル榛名由梨らもスタッフ入り。新曲「セラビ・アデュー」が取り入れられ、彩風が「私の中にあなたは生き続ける」と歌いかけるなど、サヨナラ色も反映された舞台になった。
フィナーレでは、下級生によるロケット（ラインダンス）の場面で、大階段から彩風が羽根を背負っており、パレードでは異例の客席おりも。客席と一体となった演出で送り出される。
宝塚公演を終えると、東京宝塚劇場で8月31日～10月13日に上演。東京千秋楽をもって、約17年半に及ぶ宝塚人生に区切りをつける。
◆彩風咲奈（あやかぜ・さきな） 2月13日生まれ、愛媛県大洲市出身。07年入団。雪組配属。新人公演主演は5回。長身で脚長、小顔と抜群スタイルでも注目。21年4月、雪組一筋でトップ。相手娘役に朝月希和を迎え「CITY HUNTER」「Fire Fever！」で本拠お披露目。昨年12月、夢白あやを2人目相手役とし、今年2月の御園座「BONNIE＆CLYDE」から新コンビを組んだ。身長173センチ。愛称「さき」。
