ライブイベント『MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT Live OPERATION 01 “Rumble & Silence”』が20日、東京・台場のZepp Diver Cityで開催。アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』内で使用された楽曲の生演奏とともに、映像がミックスされたライブに観客たちは熱狂の一夜を過ごした。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は太田垣康男氏が『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて連載中の作品。『機動戦士ガンダム』の世界をベースにハードでシリアスな展開で知られ、アニメは2015年12月から16年4月にかけ4話構成で有料配信され人気となった。そんな本作の音楽監督を務めた菊地成孔氏とバンドメンバーたちが作品楽曲を演奏するというコンセプト。
開演前からステージには巨大なスクリーンが張られ、時間になると場内が暗転していく。スクリーンにはサンダーボルト宙域の映像が約5分間ほど映し出され、作品の世界観に引き込まれていくなか、客席には緊張感も漂い始めたとき、一気にスクリーンが取り払われ、目の覚めるような激しいチューンの『サンダーボルト・メインテーマ用』の生演奏からスタートを切った。
作品の主人公の地球連邦軍のイオ・フレミング(CV:中村悠一)とジオン公国のダリル・ローレンツ(CV:木村良平)の死闘の映像などを挟みつつ『戦闘配置用』『出撃用』といった、激しく、スピード感のある演奏に、観客たちも息を呑んでその演奏を見守る。4曲目からのヴォーカル入りの『年寄りになれば~I’m 60~』からは柔らかい雰囲気となり、インターミッション前の『月のカクテル~Martini on the moon~』では菊地氏がボーカルを務めて、ムーディーに歌い上げた。
インターミッションでは、アニメ『機動戦士ガンダムサンダーボルト』の松尾衡監督、カーラ・ミッチャム役の大原さやか、小形尚弘プロデューサー、菊地氏の4人でトークへ。大原は、「以前に行われたブルーノートでのイベントに行けなくて、今回は普通にお客さんとして来る予定だったんですけど、インターミッションゲストでラッキーでした」と、笑みを漏らすなか、司会として進行を始める。
一方の松尾監督は、演奏中などで流れた映像が気になっていたようで、「ずっと音にボロ負けしていると思っていたんですけど、うまく編集してあってうまくぼやけてくれました」と、胸をなでおろす様子も。
トークでは、これまでの『機動戦士ガンダム サンダーボルト』のイベント内でも語られた菊地氏が本作の楽曲に携わるまでの経緯などが語られる。松尾監督は、「僕らはジャズが分からない、菊地さんはガンダムが分からないというなかで」と、お互いに補いあって制作した様子を見せつつ、「それで音楽が上がってきたんですけど、すごくて『マジやべぇな』と思いました。菊地さんの事務所でサンプルで『こういうのはどうでしょう』とプレゼンしていただいたんです。そのときのテンポ感だけを頭に入れて、絵コンテを描いてしまって」と、思い返していた。
トーク後半では、第2シーズンの第5話から第8話まで、今年3月から6月にかけて有料配信されることが発表。前日に仕上がったというPVも上映され、新キャラクターとして地球連邦側でビアンカ・カーライル(CV:古川由利奈)とビンセント・パイク(CV:杉田智和)、ジオン公国側でビリー・ヒッカム(CV:逢坂良太)のビジュアルも公開。
すでにアフレコも始まっているそうだが、実は大原には声がかかっていないといい、「私、スタジオの様子は知りません!カーラはどうなったんですか?」と、大原が尋ねると、小形プロデューサーは、「何歳くらいまで下の年齢ができますか?」と意味深な質問が。大原は「赤ん坊まで行けると思います!」とキッパリ言ったものの松尾監督と小形プロデューサーが顔を見合わせうなずいているのを見て「言っちゃった~!どうしよう~!」と、1人大慌てといった様子を見せていた。
また第1シーズンとの違いについて、松尾監督は、「原作の4巻以降は作り方が変わっていて、もっと長い大河ドラマになっているんです。ですから第1シーズンと同じ作り方をすると構成が困るんです。前回より構成に苦戦した感じで、演奏シーンはこれからなので大変ですね」と、制作状況とともに語っていた。
そして、後半の演奏へ。戦闘状態の激しい演奏のサウンドも織り交ぜつつ、ヴォーカルありの楽曲ではブルース調のものもあったりと『機動戦士ガンダムサンダーボルト』の世界観を存分に音楽で再現。ラストの明るい曲調の『あなたのお相手~I’m your baby~』では、この日登場したボーカリスト全員がICI a.k.a.市川愛のバックコーラスについて体でリズムを取りながらノリノリでのパフォーマンスをし、ここばかりは、手拍子を挟む観客も。そんな会場全員一体となってテンションが上がるなか終演を迎えていた。
■セットリスト
M1:サンダーボルト・メインテーマ用
M2:戦闘配置用
M3:出撃用
M4:年寄りになれば~I’m 60~
M5:白い部屋~White day in the blue~
M6:月のカクテル~Martini on the moon~
******インターミッション******
M7:あたしのカントリー・ソング~Fan of the hay~
M8:戦闘開始用
M9:戦闘中 (激戦状態)用
M10:ただ二人だけ~We’re the only ones here in this world~
M11:ただ泣くだけ~Oh god, I’m alone~
M12:イエスのガール~Yes girl~
M13:女の子に戻るとき~The dreaming girl in me~
M14:あなたのお相手~I’m your baby~
■バンドメンバー
サックス:菊地成孔
ピアノ:スガダイロー
ギター:伊平友樹
トランペット:佐々木史郎
ベース:永見寿久
ドラムス:服部正嗣、
ヴォーカル:noon
ヴォーカル:中沢ノブヨシ
ヴォーカル:堀向彦輝
ヴォーカル:ICI a.k.a.市川愛
ヴォーカル:坂本愛江
■第2シーズン配信予定日
第5話:3月24日(金)正午より
第6話:4月28日(金)正午より
第7話:5月31日(水)正午より
第8話:6月30日(金)正午より
※記事内画像は(C)創通・サンライズ