続・劇場版『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』(監督:山本寛/配給:東宝映像事業部)初日舞台あいさつが11日、東京・TOHOシネマズ新宿で開かれ岡本未夕役・高木美佑、久海菜々美役・山下七海、片山実波役・田中美海、島田真夢役・吉岡茉祐、林田藍里役・永野愛理、菊間夏夜役・奥野香耶、七瀬佳乃役・青山吉能、山本監督が登壇し、司会はテレビ東京の紺野あさ美アナウンサーが務めた。
宮城・仙台を拠点に活動しはじめた“WUG”(ワグ)の愛称で親しまれている7人組アイドル『Wake Up, Girls!』メンバーたちの喜びや葛藤、グループとして結束を強めていく姿がシリーズを通して描かれ人気の作品。2014年1月に劇場作『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』からスタートし、その劇場の続きがテレビアニメ1クールで放送され話題に。そして、今年、再び劇場版で帰ってくることとなり、前編となる映画『Wake Up, Girls! 青春の影』は今年9月に公開され、本作はその結末が描かれたものとなる。
上映後、本作キービジュアルにもなっている、ライブシーンでの衣装で7人が温かな拍手に迎え入れられながら登場。「みなさんこんにちわぐ!私たち『Wake Up, Girls!』です!」と、おなじみのあいさつで場内を沸かせた。吉岡は、「舞台あいさつ恒例の吉岡前夜寝れない病で、若干寝不足です」と、苦笑いを浮かべ緊張気味な様子を見せることに。
好きなシーンについては、山下が「(片山)実波が夏休みの宿題をやってないシーン。可愛かった」とコミカルな部分を挙げると、田中は「実波が(久海)菜々美にお守りを渡すシーン。あのときの顔が印象に残っていて泣けます。完成したシーンを観てななみん!って泣いてました」と、相当に心に残ったよう。永野はダンスシーンを、奥野はライバルチームの衣装を挙げたり、青山は「作画が後編も“ぬるぬる”だった。手のところのシーンがすごかった」と、思い思いのところを話すこととなった。
この2年間の活動を通しての成長について、青山は「『7人のアイドル』のときは髪が短かったのに、いまは胸のところくらいまで伸びた」と、しみじみ話すと、高木は「私は前髪切り過ぎちゃって、眉毛が隠れなくて…」と、作品から脱線して恥ずかしげな様子を見せることも。
そんななか山本監督は、本作について「後編を無事に公開できて安心しています。ポイント?まずは納品せねばというところがあった」と、胸をなでおろす。
見どころについて山本監督は、テレビアニメ版からWUGを取るか幼少のころから夢見ていた方向を取るのかで迷っていた菜々美を挙げ、「前編で振っていた菜々美のことを解決するという命題に取り組みました。パンフレットにはありますが、菜々美はワガママなんです。ワガママであるがゆえに、それを存分に描いてみたい、それが人間らしさWUGらしさ菜々美らしさというのがあると思うんです。見方によっては嫌だな面倒くさいなと思うかもしれないですが、そこに僕らが作り上げた、こだわる“らしさ”があってドラマ性を感じ取ってもらえると嬉しいです。鬱展開みたいな感じになる可能性もありましたが、あえてそこを行きました」と、思いを。
ちなみに、この菜々美について山本監督は、「シナリオ段階で、いままでなかったんですが菜々美のくだりは泣きました。彼女は本当に悩んで、でも…というのを観ていただきたい。あれが僕らの知っている血の通った人間なんじゃないかなと思っています」というと、高木は「菜々美のセリフで『キター!』という感じのものがありました(笑)」と、テンションも高かった。
ほかにも、元『モーニング娘。』のメンバーだった紺野アナに話を振ると、「2014年の1月に(舞台あいさつから)ご一緒させて頂いて、約2年になりますけど、この年の女の子ってグングン変わっていくなっていうので、母みたいな姉みたいな気分です。見た目は綺麗に可愛くなったんですが、まっすぐでスレていない、ピュアでキュンキュンしちゃってます。そのキラキラしたところ以外でも伝わってくるものがあります」と、感想を寄せていた。
その後はミニライブとして、『少女交響曲』、観客を前にしては初披露となる『Beyond the Bottom』をパフォーマンス。『Beyond the Bottom』では、本作ライブシーンのように白のサイリウムが場内に揺れたことにメンバー一同感激する様子も見せていた。青山は2曲やってみて、「『Beyond the Bottom』の振付はいままでで1番難しかったと思うんですが、練習時間が短かったんですが、メンバーみんなが対面になる部分で、そのときにみんなでうなずきあっているんです。『大丈夫!』って心の声が聞こえる気がして、WUGちゃんの結束力が高くなったんじゃないかと思っています」と、手応えを語っていた。
終盤に、山本監督は「この作品、絶えず追われていました。こんなにしんどい作品はないですよ。もうアイドルアニメはやめよう。萌え4コマにしよう」と、言い出し7人を焦らせたが、その後に「変な振りをしたらまずいんだけど…。一応、完結というのかな、終わったという締め方でラストカットまで結びつけたつもりなんですが、意欲としては続けたいです」と、続編への山本監督自身の意思を示し、場内には「おおっ!」というどよめきが。
山本監督は続けて「これは僕の意欲であって、選挙で言ったら立候補しただけで、あとはみなさんの清き1票、(映画の)チケット1枚にかかってると思ってください。今後にかんしては、選挙まがいな言い方かもしれませんが、『僕を男にさせてください』という言い方でみなさんにはお願い申し上げたい。1人でも多くの方に映画館の会場に足を運んで頂ければ、次があるかもよという形で締めさせていただきたいと思います」と、コメントを寄せていた。
ラストは、円陣のときの掛け声をやりたいと吉岡が手を上げたが、山本監督が「ミュージックスタートだっけ(笑)?」と、どこかの作品で聞いたような有名フレーズを言い出し、これにメンバーたちからも「もーーー!バカっ!!」「信じられない!!!」と笑いながらブーイングが起こるなか、「いくぞ!がんばっぺ『Wake Up, Girls!』」を観客とともに叫んで大盛り上がりのなか終演となった。
続・劇場版『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』は11日より2週間限定で公開中!
■Story
東北代表として出場した『アイドルの祭典』での活動が認められ、アイドル文化の中心地・東京に進出した『Wake Up, Girls!』。メジャーレコード会社bvexとの契約も決まり、活動は順風満帆に思えた。だがブレイクの立役者だったプロデューサー・早坂相が手を引き、7人が動きの早い東京の芸能界の中で「WUGらしさは何か」を見失った結果、苦い挫折を経験する。レコード会社や関係者たちが手のひらを返す中、それでもあきらめずに前に進もうとする『Wake Up, Girls!』の姿を見た早坂は、彼女たちが再び挑戦するための武器として、新曲「少女交響曲」を与えるのだった。『Wake Up, Girls!』は、心機一転して地元仙台から活動を再開。日常ライブの復活や全国行脚を通しての地道な努力は、少しずつだが、着実に全国のファンへと届き始める。
一方、アイドル界の頂点である『I-1club』では、最新シングルの売上ミリオン割れを契機としたセンター争いがぼっ発。『I-1club』プロデューサー・白木の非常な采配は、意外な形で『Wake Up, Girls!』のアイドルたちを大きなうねりへと巻き込んでいく。敗れて尚あきらめられないもの。アイドルとは何か。その答えを求めて、物語は再び「アイドルの祭典」へと収束する。