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「『壊す』から『生かす』へ」、古い素材を生かしリニューアルした日比谷セントラルビルにモダンな落ち着いた空間が誕生


三井物産都市開発株式会社は、日比谷セントラルビルのリニューアルを記念し、記者発表とトークイベントを開催した。1983年に建設されたこのビルは、「『壊す』から『生かす』へ」をコンセプトに、山下泰樹氏によるリボーンプロジェクトが実施され、新旧の融合を図るスタイリッシュかつ落ち着いた空間が完成した。スペイン産ピンク色の花崗岩が用いられ、アートも取り入れられた。このプロジェクトは、地元の歴史と未来をつなぐ試みとして、持続可能性と既存資材の活用に重点を置いている。幅允孝氏はリニューアル後の外観について、長年風に晒された花崗岩の風合いが持つ価値を評価し、新しい建物では得られない独特の魅力を称賛した。これは日本における持続可能なデザインの重要性を示すプロジェクトである。

三井物産都市開発株式会社は、日比谷セントラルビルのリニューアル工事完成を記念して、12月19日(木)に1 階エントランスにて、リニューアル記念記者発表、および今回のリニューアルを担当したデザイナー・建築家の山下泰樹氏と、ブックディレクター幅允孝氏によるトークイベント「『歴史・未来・人』をつなぐ、リボーンプロジェクトの可能性」を開催。

1983 年に建設された日比谷セントラルビルは、「『壊す』から『生かす』へ」をコンセプトに 2024年2 月より山下氏による大規模リボーンプロジェクトを実施。リボーンによりスペイン産の淡いピンク色の花崗岩にカラートーンを統一、端々にアートを取り入れ、新旧が融合した日比谷の街並みと調和する上質でモダンな落ち着いた空間が誕生した。

今回のプロジェクトをはじめ「ミカン下北」の設計や、代官山の「ASO」の改装などを手がけた山下氏(DRAFT Inc. 株式会社ドラフト 創業者・代表)は、今回のリニューアルで手掛けた箇所について「我々は環境デザインと呼んでいる部分なんですけど、いわゆる共用スペースと呼ばれる、エントランスからエレベーターホールから廊下から、というさまざまな部分をデザインしたというような感じです」と説明。

「『壊す』から『生かす』へ」というコンセプトについては「このプロジェクトお話いただいて、当然、新しくやっていこうか、それとも生かしていこうかっていうこの二択の話をいただいた中で、ここら辺ご近所だけだと多くの新築ビルが建っている状況を改めて知ったんですね。

それで、今、世界中でこのサステナブルな世の中で、古いものをうまく生かしていくっていうのは、やっぱヨーロッパ諸国とかはうまくやってきた。でも、でも、日本は木造の文化がどうしてもあって、40年くらいのタイミングで新しく建て替えていこうという文化があって。

でも、ビルは実際100年、200年持っていく中で、ちょっとサイクルが早いんじゃないかなみたいなことは感じながら、ただ、これだけ実態としては新築が建っていく。ここに対して一石を投じるようなプロジェクトになったら、非常に意義があるんじゃないか、と思いました」と語った。

本プロジェクトへの理解が深く人と本の距離を縮めライブラリーを手掛ける幅氏(有限会社 BACH 代表)は、リニューアル後の外観について「このビルのファサードで使っている花崗岩の石のテクスチャーは、やっぱり40年間風に晒されて、いろんな人を見守って初めて出てくる味というものが実はあるんじゃないか。それはどれだけ人工的に作ろうと思っても、実は作れないとても貴重なものなんじゃないか、という風に感じています。

そういうものを生かしていて、新しいことももちろん悪いことではないんですけども、この場所、地場、来歴みたいなものをしっかりと読み取っているプロジェクトなんだなっていうのがすごくわかりましたね」と話し、プロジェクトへの理解を示していた。

幅氏の外観に対する感想を受けて、山下氏は「今の建築の資材で言うと、当時はすごくいいもの使ってるんですよ。それを単純に剥がしていくのはもったいないし、大体この風合いみたいなものは非常によく出ていたので、コスト的なこともありますが、生かしていこうっていう選択をして。

やっぱりリニューアルで変わった感を出していきたいので、古い素材と新しい素材と組み合わせていくことによって、古く見せていく。料理と同じように、りんごという素材だけを食べるのではなく、何かと組み合わせて新しい素材になっていく、そんな世界観を見せている感じです」と解説した。

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