ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」を主催する嶋村吉洋氏と、Jリーグに所属するクラブチーム「モンテディオ山形」の相田健太郎代表取締役社長が3月16日、同チームのホームスタジアムでもあるNDソフトスタジアム山形で対談を行いました。
対談のテーマは「地方都市の未来」や「結果を出せるチームの条件」など。クラブの維持費や新たなプロジェクトの可能性などについて、それぞれの立場から意見を述べていました。
コロナで収入激減
相田社長によると興行収入は新型コロナウイルス感染拡大で激減。「まずは(興行収入を)元の状態に戻すこと。チケット収入以外では、スポンサー収入が大きい。露出という意味では、野球や大相撲に敵わない。地域貢献や街づくり、山形の未来をどうしていきたいかという視点に共感いただき、支援してもらっている」と語ります。同時にJリーグ特有の「降格」も悩みの種。「下部のリーグに行くとレベルも落ちる。当然、ファンも離れてしまうという難しさがある」と語りました。
「日ハム新球場が日本一のスタジアム」
また、相田社長は北海道のスタジアム事情にも言及しました。札幌ドームはプロ野球、日本ハムファイターズの本拠地として有名ですが、実はJリーグの北海道コンサドーレ札幌もホームスタジアムとして使用しています。「札幌ドームはオランダの開閉式のドームスタジアム『ヘルレドーム』を模倣している。また、北海道北広島の日ハムの新球場は、アメリカで実施していることを持ち込んだ。日本一のスタジアムだと思っている」と話しました。
2023年に完成予定の日ハム新球場はスタジアムを中心とした街づくりをしています。集合住宅、高齢者と子ども向けの施設、ホテルや駅などが一体化しており、あらゆる企業が参入できる土壌を生み出しました。
一方、モンテディオ山形も新スタジアムを建設予定。場所は現ホームスタジアムがある天童市とし、山形県に利用の要請を出しました。2025年の運用開始を目指します。相田社長は「北海道の新スタジアムは、地方都市の高齢化などを抑制できる良い事例。スタジアムを造って終わりでは無く、そこから広がりを創ることが大事」と訴えました。
「街づくりが好き」という嶋村氏は、相田社長のスタジアム構想に対し「レジデンスや快適なシェアオフィスなどが並び、入ったら別世界のようなスポットになったら人も増えそう。車があれば空港や山形駅から20分。山形県のちょうど真ん中で、東京からも近い」とポテンシャルの高さを挙げていました。
ビジネスにおいて数々のつながりを生み出してきたワクセルと、山形の未来を見据えるJリーグチーム。このコラボレートは、今後も注目していきたいですね。