
7月1日、日本の伝統的な自然素材を使ったブランド「Liberato(リベラート)」初となる直営店舗「Liberato TOKYO」が東京・浅草エリアにオープンしました。

九州産畳×姫路産レザーを融合させたオリジナルのローファーやサンダルといったアイテムを展開する同ブランドのディレクター、HIDEさんに色々と話を伺いました。

ーー畳のインソールを使用したスリッパ等の履物は多いと思いますが、それらとLiberatoのアイテムはどう違うのでしょうか?
HIDE:九州産の畳を使用している点が挙げられます。日本の伝統文化である畳ですが、実は国内で流通している畳の大半が中国を中心とした海外産です。安価なものが求められる国内市場背景によって、国内農家は縮小し続けている社会・文化的な課題を受け止めています。
また海外産と比較して国産のい草は繊維の密度が異なり、吸湿性や弾力性、耐久性などに優れているというエビデンスもあります。
Liberatoでは、日本の素晴らしい文化である畳を国産のものだけにこだわり、ファッションに形を変えることで、少しでも文化継承に貢献したいと考えています。
その他の違いとしては、染色したい草や畳の端材をアップサイクルしたい草等、単にい草といっても色々なアプローチをとっております。い草を染色できる職人は国内でも限られておりまして、1本1本のい草の繊維・水分量などを目で見極めて染めを施しています。
また、い草の草の長さから廃材となってしまう部分もあるのですが、インソールとして使用することでものを無駄にしないということにも取り組んでいます。(※ナチュラル色のインソールのみ)
ーー外国人に人気だそうですが、きっかけはなんだったのでしょうか?
HIDE:LAのインフルエンサーに紹介されたことがきっかけで、問い合わせが急増し、販売数が増えることで、口コミサイト等にも投稿され注目が集まっています。
https://www.instagram.com/reel/DD2P72xvGtC/
ーー畳のインソールは裸足で履くことで気持ち良さを一番感じられると思うのですが「畳ローファー」を裸足で履くと靴擦れしたりしませんか?
HIDE:Liberatoのもう1つのこだわりはレザーにあります。日本一の生産地である姫路のレザーのみを使用しており、そのなかでも特に柔らかいステアレザーを使用しています。
固い革靴でいつも足が痛くなったり、疲れてしまい机の下で靴を脱いでいた私個人の経験から、素足で履けて、1日中快適に過ごせる革靴を検討するなかで、ここにいきつきました。
海外製の有名ローファーは、革が固く、重いものが多い傾向にあります。それはそれで、堅牢で高級感があり、名品とは思いますが、Liberatoは逆張りの発想で、とにかく柔らかい革を選定し、裏地無しで甲に直接触れられるものを使用しています。
足あたりが優しく、フィットに掛かる時間も短く、靴擦れしにくいです。実際にお客様からも「柔らかくて感動した」「コンフォータブル!」というコメントを多くいただいています。

ーー畳×レザーといった和洋折衷のような組み合わせが海外で人気となりやすい理由はどういったところにあると分析されていますか?
HIDE:Old meets newの思想が新鮮に感じるのかと思います。Liberatoは、より自分らしく自由なライフスタイルを選択したい方に向けて、デザインだけに留まらず体験を提案しています。
日本では畳の部屋は減っていますが、海外では畳の部屋自体が珍しいと思います。Liberatoの靴を履いていればいつでも日常的に畳を感じることができる。それだけでなく、自由なデザインと細かなディティールにこだわりがあり、日本製らしい精巧で質を重視した商品であるため割安に感じてもらえるのではないでしょうか。
――どうもありがとうございました。
ブランド名に「解放する」「自由にする」という想いが込められているLiberato。今後も畳という日本の伝統文化で世界中の人々の足の疲れを解放してくれることでしょう。
※画像提供:合同会社Liberato
(執筆者: 6PAC)